来年の中国オリンピックに合わせ薄型テレビをプラズマにしようか液晶にしようか迷っているあなたに一言!
次世代DVDで激しく火花を散らしたソニーと東芝が、今度は超薄型テレビで激突するようです。まったく新しいディスプレー技術「有機EL(電界発光)」を使った超薄型テレビへの参入を発表しました。
DVDでは違う規格をブチ上げて勢力争いを繰り広げましたが、超薄型テレビでは同じ方式でガチンコ勝負をするようです。
「有機EL」とは電気を流すと発光する有機素材を使ったディスプレーの技術で、鮮明な映像を再現できるという特徴があります。
現在の液晶、プラズマテレビよりもさらに薄型にできるため、みなさんの家庭でも壁掛けテレビが現実のものとなりますよ。
大画面化や長寿命化が難しいなど技術的なハードルもあり、テレビとしての商品化には時間がかかっていましたが、商品化で先行したのはソニーです。今年1月に米国で開かれた家電見本市で、11インチ型と27インチ型の有機ELテレビの試作品を初めて公開し、世界的な注目を集めました。
東京で開かれた展示会で国内初披露されたときも黒山の人だかりとなり、文句なしの一番人気となったようです。
その展示会で行われた基調講演で、ソニーの井原副社長は「いよいよ11インチから有機ELテレビを2007年中に発売します」と宣言し、来場者を驚かせていました。
有機ELは携帯電話の画面などでは実用化されているものの、テレビとしての登場は世界初です。年内にも発売される11インチ型の画面サイズは縦16.5センチ、横27センチで、薄さはわずか3ミリ。月産1000台を目指しているようです。
気になる価格はというと、液晶テレビの2倍から4倍とみられ、13型の液晶テレビが店頭価格で5万円程度ですから、実勢価格は10万〜20万円ぐらいになりそうです。
一方、東芝の西田厚聰社長が「09年にカラーテレビ用の有機ELを作るとし、少し大型のサイズのものを作る」とソニーへのライバル心をあらわにしていました。
ブラウン管の次のテレビとして、シャープが液晶、松下電器産業がプラズマにいち早く本格投資し、自社での一貫生産で先行した結果、両社はそれぞれの分野でシェア、利益ともに勝ち組となっています。
ソニーと東芝が、現在の薄型テレビでの出遅れで苦汁をなめた経験から先手をかけているようです。
一時はテレビ事業が大赤字を抱え、ソニー全体の業績を悪化させていましたが、サムスン電子(韓国)と組んで液晶テレビ用パネルの生産を始めて急激に巻き返しをしており、これから“本命”の有機ELで先行し、テレビ市場での覇権を取り戻すのがソニーの狙いのようです。
東芝も事情は同じで、出遅れでテレビ事業の収益改善に時間を要しており、「SED(表面電界ディスプレー)」という別の次世代ディスプレー技術を使ったテレビにも参入予定のようですが、特許問題の影響で、パネルをキヤノンとの共同生産から、同社からの調達に切り替えています。
現在は法廷闘争の解決待ちの状態で、「SEDの位置付けは変わらない」(西田社長)としていますが、出遅れで痛い経験をしているだけに、並行して有機ELを開発する作戦のようです。
有機ELでは、「先手必勝」を期するソニーと東芝ですが、他社も手をこまねいているわけではなく、松下電器は東芝との合弁で有機ELを開発しているほか、シャープも研究を進め、サムスン電子なども有機ELに積極的な投資を続けています。
現段階では、量産体制、コスト面など、現行の薄型テレビと比較できるまでに至っていませんが、いずれにしろ、液晶とプラズマでしのぎを削ってきた薄型テレビ戦争は、有機ELの参入で新たなステージに入っていくことは間違いないようです。
デジタル化される2011年までには、技術開発が進み超薄型テレビに移行すると思われますので、ここは一度に薄型テレビに買い換えるのではなく、超薄型テレビの実用化の進展を見ながら次の手を打たれるのも良いかと思います。


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