2012/6/7

高橋弘行キャスター、なんで辞めちゃうの?  はなこのMEMO

クリックすると元のサイズで表示します 写真の方は2007年からNHKBS1朝の情報番組「ワールドWaveモーニング」のキャスターを務められた高橋弘行氏。

 実は今日の放送回(訂正、正しくは今週)を以て、キャスターを辞められることになった。

 朝6〜7時台の情報番組は、民放、NHK地上波共に近年ワイドショー化が著しく、正直言って「朝の慌ただしい時間に、悠長にこんな番組見ていられるかい?」状態である。

 思うに、この時間帯は殆どの家庭が、時計代わりに、そしてお天気&交通状況チェックにテレビを点けているはずだ。そこで街角レポートやら、最新流行ファッションやらスィーツやら、韓流スターやらを見せられても、目障りなだけだ。だいたい「ニュース(NEWS)」とは読んで字の如く「速報性」が命のはずなのに、ワイドショー化された地上波発信のニュースはちっとも新しくない。いろいろ化粧を施された周回遅れの加工品が殆どだ。

 だから、我が家ではここ数年、夫の意向もあって、朝は殆ど「ワールドWaveモーニング」を見ていた。「日本最速の国際ニュース」を謳うこの番組は、「世界18の国と地域23の放送局から伝送されてくるニュースの中から、取材経験豊富なキャスターが、内容を厳選して、ピックアップ。現地で放送してから1〜3時間程度の時差で、その日の朝一番の国際情勢を伝える」という触れ込み。男女2組のキャスター陣が交代で、不要な脚色など一切せずに、しっかりと「世界の今」を伝えてくれる。そのキャスターの1人が、高橋弘行氏であった。

 ただ、普段、私は家族を送り出すべく、ドタバタしながら見ていたから、今日の今日まで高橋氏の降板に気づかなかった。あ〜、こんなことなら、しっかり見ておくんだった。と後悔しても後の祭り

 しかも、この高橋キャスター。その人となり、キャスターとしての姿勢を知れば知るほど、素晴らしいのである。番組HPのキャスター紹介欄でも、自身のキャスターとしての矜恃を簡潔な言葉で綴り、その見識の高さは一目瞭然。

『知識』よりも 『知恵』を。
『唯ひとつの正義』よりも 『様々な価値』を。
『恐怖』よりも 『勇気』を。
そして何より、未来への『希望』、
私たちに教えてくれるニュースを、さがし続けます。
(以上、番組HPより)

 今日は最終日ということで、番組後半の「世界の扉」コーナーで、映像を交えながら、この5年間を振り返られた。そして、視聴者へ向けて、キャスター最後のメッセージとして、「3つのポイント」を挙げられたのだ。

1.「腹立たしい報道」こそ、しっかり見る。
2.報道はあくまでも「事実」の断面。
3.日本の報道を常に振り返る。


 これだけでは、番組を見ていない人にはわかりづらいだろう。ネットでググッてみたら、昨年の今頃に行われたインタビューがブログ記事としてまとめられていた。

『NHKキャスターに「日本人」について聞いてみた(「今日ボクが見た風景」より)』

 リンクのブログで高橋キャスターが語られたことの中には、私達がニュースを見る上で留意するべき点が幾つもあった。いみじくも今朝の「3つのポイント」を詳細に補完する形にもなっていて、日頃、日本のニュースの在り方について疑問を感じている人にとっても、読み応えのある記事になっている(私は当該ブログの真っ暗な画面に読みづらさを感じたので、プリントアウトして読んだ)




 わたくし的にキーワードは、「多様性」「色」「幕の内弁当」「相対性」「国籍」「インターネット」「中国」「米国」「日本全体の問題」「取材力」「先入観なしに」「風向きの変化」と言ったところか。


《ニュースを伝えるに当たって、重視していること》

@最も重視しているのは多様性:世界は紛争一色でもなければ、平和一色でもない。悲しい話ばかりでもなければ、明るい話ばかりでもない。世界は多様性に富んでいる。その日一日に起きたさまざまな出来事を集め、ニュースに多様性を持たせたい

A相対性:物事はすべて裏から見る見方もある。立場が違えば、見え方も違う。ニュースでは物事を決めつけるのではなく、いろいろな意見を並べたい

同じ事柄を伝えるにしても、各国・各地域の放送局によって、捉え方、伝え方が違う。人間に国籍があるように、放送局にも国籍があり、その生い立ちや背負って立つ立場から絶対逃れられない。

そこから逃れられないのであれば、真実の報道は何か、この報道が真実なのかどうかを追求するより、さまざまな意見をぶつける(紹介する)ことで、視聴者に世の中の価値はひとつではない、相対的なものなのだと思って貰いたい。ニュースではその立場に寄るべきかどうかの判断材料を提供したい

付け加えるならば、最近は速報性も身につけ、情報ツールとして魅力の増したインターネットを意識している。多様性や相対性を重視し、手間と時間をかけて付加価値をつけた最新のニュースを発信して、インターネット・ユーザーにも満足してもらえる番組にしたい


《これまで日本の動向について世界で報じられたことはあったか?》

世界が注目しているのは中国と米国の動向。残念ながら日本に関しては、この二国に絡んだ形で報道されることが多い。

(例1)四川大地震の1カ月後に発生した岩手の地震が、日本関連では2007年度最大のニュースとして伝えられた

(例2)2008年にオバマ米大統領が「チェンジ」と言って大統領になり、世界中が「チェンジ」を取り上げたことが影響して、2009年の自民党から民主党への政権交代が、アジアを中心に大きく報道された。

(例3)米国で発生したトヨタ自動車のリコール問題は、世界中で大きく報道された。


《日本の話題が世界で取り上げられないのはなぜか?》

「外交や政治の問題」とひとことで言えるものではなく、「日本全体の問題」だろう。まず、日本企業の国際的存在感の低下日本と言う国の政治的存在感の希薄さ。積極的に海外進出or発信しようとしない、特に若者を中心とした日本人の内向き指向。一方で、「寿司」の世界的流行等、ソフトパワーの拡がりは見られる。

日本という国が自発的に世界に向かって何かを発信している、推進している、と言う報道がない

(ところで、先日テレ東の『ガイアの夜明け』を見ていたら、オーストラリア進出をかけて味噌のマルコメ社員がシドニーに赴いた時、営業で訪ねた寿司店のことごとくが韓国人の経営だった。

韓国人が、韓国で寿司店を経営するか、オーストラリアで韓国料理店を経営するならまだしも、なぜ第3国で日本発祥の寿司の店を経営するのだ?また、米国では売春宿の名前が日本の都市名であったり、そこで働く女性の源氏名が日本名であったりと、大いに誤解を招きかねない状態とネット上の記事にあった。こんなことを野放しにして、日本の食文化の正しいイメージは守られるのか?在外邦人の身の安全は大丈夫なのだろうか?

〜なんてことを考える私は、偏狭なナショナリストなのかしらね?逆に、日本人も韓国人の、せめて半分くらいのずうずうしさがあっても良いのかもしれないと思った。尤も世界的な寿司ブームで、商売に鼻のきく人間なら何処の国の人間でも、この商機を逃さないものなのかもしれない。)



《日米の報道比較》

あるテーマについてさまざまな見方がある相対性は存在するが、人間として記者が取材をするということにおいて、日米にあまり違いはない。取材力ではけっして負けていない。国籍が違うからこそ、背負うものが違うからこそ、米国について日本が伝えられるものがある。

同時に限界もある。個人が思っていることと現実で起きていることは別だから(例:米国における人種差別の有無。記者と言えども、個人によって感じ方がさまざま)必ずしも記者の目を通したものが真実とは言えない


《日本が米国を報道する際に、どちらかと言うと米国寄りの報道になるのか?》

そうとは一概に言えない。時間の経過や取り巻く状況の変化で人々の考え方も変化する(例:イラク戦争の是非、9.11後の対イスラム観等)こちらからあれこれ勝手に推量し、先入観を持って取材をするのは間違い

だからと言って何も考えずに取材するのではなく、彼らが感じていることを素直に受け止めるのが一番。外国の記者として見るべきところは、国民世論の変化を素直に感じて、風向きの変化を感じること。(その意味で)「ワールドWaveモーニング」の良いところは、世界のニュースを毎日見ながら、いろいろな風向きの変化を、少しずつ感じられることだ


常にこういうスタンスで報道に携わって貰えたら、報道の信頼性も高まると言うものだろう。こういうキャスター、他にいるだろうか?思い当たる人、誰もいないなあ…今更遅いかもしれないが…

高橋さん、COME BA〜CK

【追記:06.08】

 ネット上では、特にシリア問題に関する高橋氏の解説に、偏向報道ではないか、との疑問の声もあるようだ。そこで、高橋氏がインタビューで述べたことが、大きな意味を持って来るような気がする。いみじくも、彼はインタビューの中で、自身の誤謬性を指摘しているのだから。視聴者が常に報道を鵜呑みにせず、批判的に見ることの大切さを感じる。

 また、ワールドワイドにビジネスマンとして活躍した村上憲郎氏その著書の中で述べていたように、日本のテレビ・ジャーナリズムでは、キャスターやアンカーマンを"万能の人"扱いするのが定石となっているが、このような報道の在り方は、計らずも世論をミスリードする危険性を孕んでいる、と言えるのかもしれない。

 アンカーマンやキャスターはあくまでも"ジャーナリスト"であって、"その道の専門家=コメンテーター"ではない、との村上氏の指摘は、一般の視聴者がニュースを見る際に常に心に留めておくべきことなのかなと思った。高橋氏もインタビューでの発言を見る限り、ジャーナリストの"分"と言うか、限界は自覚しておられると思う。

【2013/11/11追記】

 今年に入ってから、高橋弘行氏は解説委員として、不定期に「時論公論」(NHK総合 火〜土 午前0時から0時10分)と言う時事解説番組に出演されているようだ。残念ながら、私はこの番組で高橋氏を1度も拝見していない。最新の出演?では、混迷する米国の政治情勢に関する解説(「決められないアメリカ・2つの財政危機」(10.8放送))をされていたようだが(←私としては、こちらの方に興味があった)、アーカイブで見られるのは、それより古い下記の2点だけである。

「時論公論 シリアを救えるか〜米ロの責任」(2013.9.25放送)
「時論公論 相互不信の米ロ関係」(2013.9.6放送)
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2012/6/8  13:51

投稿者:管理人はなこ

【訂正】「こんにちわ」ではなく、「こんにちは」ですね。細かいことですが。このコメント欄、投稿直前の確認機能がないのが不便ですわ。

現在、右手の中指と薬指を突き指して湿布している最中なので、文字入力が思うように行きません。それで、普段は絶対しないような入力ミスをしたのでしょうかね?

2012/6/8  13:41

投稿者:管理人はなこ

SirCryさん、こんにちわ。いつもコメントをありがとうございます。

最近のテレビは録画機能が充実しているので、どうしても見たい番組は録画して見る方法もありますね。SirCryさんのお宅のテレビには「連ドラ予約」機能はありませんか?それがあると便利ですね。おかげで我が家も、昨年末に新しいテレビを買ってから、以前は殆ど見なかったドラマを見るようになりました。

我が家も、息子は朝ごはんを食べる為だけにLDKに来ます。息子の日々の情報源は新聞です。彼が家を出る時に新聞を持って行ってしまうので、私が新聞を読めるのは息子の帰宅後。まあ、ネットがあるので、新聞が手元になくても、それほど困ることはありませんが。

SirCryさんのお宅は、来日外国人を積極的にホームステイさせ、その後も互いに行き来するなどして、草の根交流を実践されているので、何も恥じることなどないと思います。何より偏見を持たずに外国の方々と接しておられる。経験に裏打ちされたその柔軟なものの考え方には、メディアで情報を集めて観念的に捉えるのとは違う素晴らしさがあると思います。

記事で取り上げた番組は、とにかくひとつの出来事をさまざまな国の立場から、多角的に見ることができる。これが他のニュースでは得られない利点だと思います。一方的な価値観の押しつけがない。

そのような"情報に対するスタンスの取り方"を可能にするのは、やはり、ニュースの送り手の力量ですよね。「なぜ、同じことが地上波ではできないのだろう?」と思います。

2012/6/8  10:31

投稿者:Sir-Cry

我が家では、朝は登校や出勤で戦争騒ぎで落ち着いてTVを見ている雰囲気ではありませんが、家内がNHKの朝ドラの大ファンで7時半まではCH1、7時半から15分はCH103,ドラマが終わると又CH1で8時から日々朝ドラ・・・・というパターンです。何も2回見なくてもと思いますが、食事の世話で途切れ途切れになるので2回見て漸く1回分なんだそうです。他の家族は殆ど時計代わりです。そんな我が家なので、101は全く見たことがありません。夕方5時からのアジア・クロスロードだけ時々思い出して、私が見る程度です。こんな状態なんで、我が家とはなsこさん家とは、社会認識が開く一方でお恥ずかしい次第です(汗)

http://sir-cry.ameble.jp.


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