選手権準々決勝が3年生にとっては結果的に最後の試合となった訳ですが、最後の試合として、勝敗に関わらず今年のチームのベストゲームと言える内容だったのではないでしょうか?
集中力が持続され、誰一人 手を抜くことなく、完全燃焼で走り続けた107分間。
敗退が決まった瞬間、それは3年生の活動の終了を意味するのが選手権。
勝利を信じて駆け抜けたグランドは、試合終了の瞬間から、敗者チームの「後輩達への継承の儀式」と、「高校サッカーとの惜別の場」に変わる・・・。
試合後、気丈にふるまっている様子のダイキが見えました。
小学生の頃から負ける事が嫌いで、練習試合で負けても悔し泣きをしていたダイキ。
でもこの日は、キャプテンからキャプテンマークを託され、気を張った試合だったかもしれないが、いつもよりも気持ちを抑えて、冷静に結果を受止めているように見えました。

スタンドの応援団への挨拶を終え、バックスタンドへの挨拶をすませたのち、ベンチへ戻る頃、役目を終えたと思った途端なのでしょう、天を仰ぎ、目を真っ赤に腫らしているダイキが見えました。

そして、皆から離れ、グランドの中でひとり、何かを呟くようにうつむくダイキ。
それはまるでグランドと決別のあいさつをしているかのようでした・・・。

この南公園球技場のBコートは、ダイキが小4の時に全日本少年サッカー県大会に初出場した、南公園球技場デビューの思い出のコート・・・。
彼がそれを思い出していたかどうかは判りませんが、追っかけカメラマンの私には、小さな体で顔を真っ赤に上気させながら今と変わらず懸命にボールを追い掛けた10歳のダイキの姿が蘇ります。
その後は吹っ切ったように、笑顔でメンバー達と抱き合い、健闘を称え合うダイキ。
そして、去年の3年生がそうしてくれたように、後輩一人一人と肩を組み、笑顔であいさつをするダイキが居ました。
でも、あとで写真で見てみると、その顔は笑いながらも泣いていました。
ダイキの一番素直な気持ちが表れた「泣き笑い顔」でした・・・。

誰も居なくなったピッチ、大歓声に沸き、熱気に包まれていた、ついさっきまでの興奮が嘘のように静まりかえったスタンド・・・。
私はどうしても最後まで動けませんでした。
動いたらダイキと共に追いかけてきたサッカーが終わりを告げる気がして、動きたく無かったのだと思います。

ダイキ、月並み言葉しかでなくて申しわけないが、感動をありがとう。
ダイキの、時に無謀にも見えてヒヤヒヤながら、いつも真剣で、闘志溢れるプレーが私もお母さんも大好きでした。
いつも怪我と隣り合わせのサッカー人生でしたね。
注目されたり、脚光を浴びる機会は殆ど無い無名の選手でしたが、我が家にとっては10年間、ずっとスーパーヒーローでした。
ダイキの疾風の如く駆け抜けた濃密な10年を、きっとガクが懸命に追い掛けることでしょう。
ガクにとってあなたは偉大な兄であり、これからも彼の目標であり続けるのでしょうから・・・。
ここまで連れて来てくれて本当にありがとう。
最大の敬意を表して、「十年間ごくろうさま」。
そして心から、「楽しい夢を本当にありがとう」。
父より