通常月経周期ごとに排卵があるのですが、どの日にあるのかをより正確に知ることは、妊娠を希望する場合でも、避妊を確実にする場合でも必要です。
排卵についての最近の面白い研究
妊娠を望む健康な女性221人に4年間性行為の有無を記録して毎日尿をとりホルモンを測るという気の遠くなるような最近のアメリカの研究によれば、
1. 妊娠可能な時期に「1回だけ性行為を行った」場合、
・排卵日の5日前に性行為を行っても妊娠する率は10%
・排卵日に近づくほど妊娠率は上昇する
・排卵日に性行為をすると33%が妊娠する
・排卵日の翌日以降に性行為をしても妊娠率は0%
2. 排卵5日前から排卵日までの6日間の妊娠可能期間中、性行為を毎日行った場合妊娠率は37%と最大で、性行為の回数が減少すると受胎率は低下した。
3. 性行為の日と排卵日との関係が児の性別に影響することはなかった
このように今まであいまいだったことも、なんとなく信じられていたことも、はっきりさせたのでした。またそれほどに妊娠を希望する場合も、逆に避妊する場合も、排卵日を予測することが大事なのです。
排卵日を知るには
一般に排卵日をこの日だと特定することはきわめて難かしいものです。でも排卵日をより正確に知るためには、どんな方法があり、どの方法が望ましいのでしょうか。いくつかの方法があり、それぞれの良い点,悪い点を知り、自分にあった方法を選ぶしかないです。またひとつの方法に頼るより併用する方がより確かになるはずです。
どんな方法 自分でできる 正確性
*オギノ理論 月経周期から計算 ○ △〜×
*おりもの(子宮頚管粘液) おりものの性状 × △〜×
*基礎体温 毎朝口中で測定 ○ △
*排卵検査薬 尿でホルモン測定 ○ △
*超音波診断 卵胞を測定 × ○
オギノ理論荻野久作先生の「排卵は次の月経の始まる16日前から12日前に起こる」が基本。最近半年くらいの月経周期(月経の始まりから次の月経の始まる前の日までの日数)を数えて(カッコ内はたとえば短い周期25日から長い周期30日の女性では)、
1. 一番短い周期の日数から16日を引く(25日から16日を引き9日)、
・それが月経の開始日から排卵が始まる可能性のある一番早い日(月経から9日目)
2. 一番長い周期の日数から12日を引く(30日から12日を引き18日)
・それが月経開始日から排卵する可能性のある一番遅い日(月経から18日目)
月経周期が25日から30日の女性では、月経開始から9日目から18日目の10日間に排卵する可能性があることになります。したがって月経周期に幅がある女性ほど排卵日に幅があります。
おりもの(子宮頚管粘液)
排卵が近づくと卵胞ホルモンが増加し、子宮頚管からの分泌物が増え性状も変わります。受診して子宮頚管粘液をとり、量と性状から判断してもらいます。本人も透明な粘っこいおりものが増えるのを感じる女性も少なくありません。それは排卵が近い証拠ですが、出始めてから3日目くらいが一番排卵する率が高いとされています。でもやや不正確で、あくまで補助診断法です。
基礎体温(詳しくはこのブログの基礎体温の項をご覧下さい)
毎朝婦人体温計で口の中の体温を測定するのです。ホルモンの関係で排卵前は低く、排卵後は高いのです。排卵は低温相最終日のあたりですが、測定中はその日が低温相最終日だとは分からず、高温相になって分かるのです。でも何周期か体温をとっていると大体の低温相最終日(排卵日)が分かります。
排卵検査薬
排卵はあるホルモン(LH,黄体化ホルモン)が出て1−2日で起こります。排卵検査薬はそのホルモンを尿で測定しているので、陽性になってから1−2日で排卵することになるのです。検査を開始するのはオギノ理論(上に書いてあるのを再度お読み下さい)による一番短い周期から16日を引いた日からです。あるいは基礎体温をとっているのであれば予想される低温相最終日より3日前から始めましょう。この検査法はあくまで排卵日を推定する補助的なものですので、これだけで判断するのは慎重にした方がいいでしょう。
超音波診断
卵巣の中で排卵する卵が入っている袋を卵胞といいますが、この卵胞が超音波検査で見えるのです。膣から器具を入れてみると卵胞がみえ、その大きさが18mm以上になれば排卵が近いのです。ただし基礎体温やオギノ理論に基づいて排卵日を予想し、排卵前に診察を受けないといけません。
結局どの方法がいいですか
単独ではより正確でないので組み合わせないといけません。自分でするのであれば、基礎体温と排卵診断薬でしょうし、さらに正確に知ろうと思えば超音波診断を加えることになるでしょう。結局は目的によります。避妊が目的で望まない妊娠を避けるためには、もっと幅のある日数を想定して避妊すべきです。

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