性感染症は性器から性器へと感染するものとされていましたが、最近では咽頭(のど)にも見られるようになってきました。
咽頭(のど)の性感染症は増えています
最近わが国では性感染症のうちクラミジア、ヘルペスなどが増加していることはよく知られたことです。さらに性行為のスタイルの変化、とくにオーラルセックスの一般化や性風俗店の出現で、本来性器にみられた種々の性感染症が喉にも見られて久しいです。まだ社会全般で喉の性感染症がどれほど増えたかは確かな調査結果はありませんが、診療の現場では確実に増えているとされています。
どんな性感染症が多いか
咽頭(のど)や口腔に見られる性感染症としては、クラミジア、淋菌、ヘルペス、梅毒、エイズが代表的です。なかでもわが国ではクラミジア、淋菌、ヘルペスが多いです。
咽頭(のど)のクラミジア
日本はもちろんのこと全世界的で一番多い性感染症です。
* オーラルセックスによる感染が多い
* セックスパートナー(男性)が感染していてオーラルセックスをすると女性に50〜70%程度の率で感染するといわれています
* 感染していることを知らないで治療も受けないでいる場合が多いです
* そのために喉にクラミジアのウイルスを持ち続け、感染源になるのです
* 90%は症状がありません
* 症状があるとしても、軽く、咽頭(のど)の異和感程度です
* 膣のクラミジア感染がある女性の20%に咽頭(のど)の感染があるとされています
* 治療は性器のクラミジア感染症と同じ抗生物質(クラビッド、ジスロマックなど)で効果があるが、1日の使用量は2倍、使用期間も2倍が必要とされています
咽頭(のど)の淋菌感染症
淋菌による口腔咽頭の感染はすでに100年以上も前からみられています。
* 女性生殖器に感染している60%以上に咽頭(のど)感染がみられるとの報告もあります
* 感染していることを知らないで治療も受けないでいる場合が多いです
* 生殖器の感染はみられないのに、咽頭(のど)感染がみられることもありえます
* 最近では口腔・咽頭(のど)は感染源として無視できないのです
* 85〜90%は無症状です
* 症状があったとしても、咽頭(のど)の痛み、発赤程度なのです
* 治療は、性器の淋菌感染症の2倍の使用量で2週間は必要です
咽頭(のど)の単純ヘルペス感染症
* 咽頭(のど)の性感染症の中では一番多くみられます
* もともとヘルペス性口内炎としてできます
* ヘルペスウイルスには、型と型がありますが、性感染症としては型です
* 咽頭(のど)に初めてヘルペス感染症が起これば、激しい歯肉口内炎や喉頭炎がおこります。とくに発赤、水泡、アフタ、びらんなどができます
* 症状としては、激しい咽頭痛、嚥下痛、発熱などです
* 治療は、性器ヘルペスと同じです
注意すること
オーラルセックスをしたことがあって、風邪などの治療によっても咽頭(のど)の痛みがとれなければ咽頭(のど)の性感染症を考えて検査を担当医にしてもらいましょう。検査は、耳鼻科、内科、産婦人科でできます。治療は通常よりも長くしてもらうことでしょうし、セックスパートナーも同じ治療を同じ時期にしましょう。また治ったかも検査で確認してもらいましょう。
ただしあくまで細胞検査なので疑問があるときは、早く(1)再検査を受ける、(2)詳しい検査を受ける、のどちらかをすべきでしょう。