生まれてくる児は105:100と男児が少し多いのですが、不思議な現象の一つとされています。どうして生まれてくる児の男女比が決まっているのでしょう。
今までの経験則
生まれてくる男女比は、従来の経験的な知識の積み重ねから、いろいろなことが言われています。たとえば 1.排卵日に近いと女の子が多い
2.母親の年齢が高いと男の子が多い
3.男女比には季節の影響がある
などきりがありません。最近ではダイオキシンの影響も指摘されるようになりましたが、詳細は不明です。
出生時の男女比
生まれてくる子どもは、男子が女子に比べて多いのです。それは地域・国、時代を問わないようです。世界の5大陸、29カ国、40年間の統計でもほぼ一定なのです。男女比は、105〜107:100と男子が多いのです。しかし最近の統計ではやや男子が多くなりつつあるとも言われていますが、正確なことは分かりません。
発育による男女比
受精から高齢になるまでの間に男女比は変動するのです。今までのヒトのデータを総合すると、以下の通りです。
時期 男 : 女 備考
受精間もない頃
(7週頃) 150:100 第一の性比 圧倒的に男が多いのです
出産時 105:100 第二の性比 妊娠中に男子が消滅した結果でしょう
50歳時 100:100 第三の性比 男女ほぼ同数になります。男性の死亡率が高いため
80歳時 50:100 更に男性の死亡が多くなる。男性が女性の半分
100歳時 25:100 男性の死亡が加速します
母体の年齢と男女比
父親の年齢よりも出産する母親の年齢が生まれてくる児の性別に関係するのではないかと調査がなされました。一番信頼できる調査は英国で約50年間に生まれた児を、母親の年齢別に男女比を調査したところ(Human Reprod 15:1178,2000)、男女比は年齢に関係なく一定であったのです。つまり母親の年齢と生まれてくる児の性別には偏りがないのです。
月経周期と男女比
従来から女性の月経周期のどの時期に性交を持つかによって、生まれてくる児の性別が決まるとも考えられてきました。実際にいままでの5編の調査結果をまとめると、 *排卵日前後であれば、男女比は97:100と女児が多い
*排卵日より遠ざかれば、男女比は115:100と男児が多い
という(Human Reprod 14:2177,1999)。この理由として排卵日の子宮頚管からの粘液、ホルモン環境がX染色体を持つ精子が子宮内に入りやすく、Y染色体を持つ精子が入りにくいために女児が多いのではないかと推測されている。しかしその後の研究結果では、性交日と児の男女比には関連がないとするものもあり、今後の課題ともいえます。
季節と男女比
動物では排卵や交尾などの時期が季節に影響を受け、生まれた仔の生存に好条件の時に出産するように生殖機能が季節に一致していることが多いのです。ヒトでは季節には影響されないと考えられてきています。しかし約20万人のイタリアでのデータ解析から、秋に生まれる児は、男児が多く、春には男児が少なかったのです。
今後食物獲得や戦争などのストレスが昔より少ない現在においては、男女の性比の差が少なくなるとも推測されています。また生まれてくる赤ちゃんの性別を人工的に選別すること(産み分け)は容易ではなく、効果も少ないでしょう。

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