「私の世代には、夢があります。いつか野生の動物たちの群れや、たくさんの鳥や蝶が舞うジャングルを見ることです。でも、私の子どもたちの世代は、もうそんな夢をもつこともできなくなるのではないか?あなたがたは、私ぐらいのとしの時に、そんなことを心配したことがありますか。
こんな大変なことが、ものすごいいきおいで起こっているのに、私たち人間ときたら、まるでまだまだ余裕があるようなのんきな顔をしています。まだ子どもの私には、この危機を救うのに何をしたらいいのかはっきりわかりません。でも、あなたがた大人にも知ってほしいんです。あなたがたもよい解決法なんてもっていないっていうことを…」
この言葉は、カナダの12歳の少女
セヴァン・スズキさんの有名な「
リオの伝説のスピーチ」の一説。今から16年前の1992年、ブラジル・リオデジャネイロで開催された「
環境サミット」でのことだ。今でもそのまま、このスピーチが通用することに、とても複雑な気持ちになってしまう。
7月7日から
北海道・洞爺湖サミットが開催される。今回の主要なテーマは「地球温暖化防止」や「食糧危機」などだ。
孫の世代に、「大変だったと思うけど、よくやってくれたね。ありがとう」と言ってもらえるか、「なぜ、わかっていたのにやってくれなかったの? 私たちより大切で優先すべきものって、何だったの?」と問いただされることになるのか。その選択肢は、いま私たち一人ひとりの手の中にある。
これは6月16日、「
地球温暖化問題に関する懇談会」が福田首相に手渡した提言の最後の言葉だ。
サミットに出席する各国首脳だけでなく、地球号に乗船している私たち一人ひとりも、将来の世代に対して責任ある行動の一歩を踏み出さなくてはいけない。
さて、6月28日の「あおもり環境学校」は久しぶりに2ケタ、
10名の出席となった。
早速、授業の内容を掻い摘んでご紹介しよう。
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<今月のテーマ:滅びゆく野生生物>
■ 今そこにある50の危機『動物たちの悲鳴』
地球上の氷の9割が集まる南極大陸。中でも温暖化の影響が顕著だと言われるのが南極半島。
南極半島の平均気温はこの50年で
2.5℃上昇した。そしてこの10年、地表の温度が
20℃を超える日もある。
そこに棲むのがペンギン。その暑さが子供のペンギンを熱中症にしてしまう。本来寒さから身を守る産毛が災いしているのだ。また雪に変わり、雨が降ることが追い討ちをかける。雪なら弾く産毛に、雨は浸み込み、やがて体温を奪い始める。こうして多くの子供のペンギンが命を落とす。
ダーウィンの進化論で有名な南米・ガラパゴス諸島。大陸から隔絶され独自の進化を遂げた動植物。その代表がイグアナだ。ガラパゴスには2種類のイグアナが生息している。
温暖化などの影響で陸イグアナと海イグアナの棲み分けが崩れ始める中、誕生しているのが
ハイブリッド(交雑種)と言われる新種のイグアナである。海イグアナ譲りの鋭い爪で、サボテンに登り餌がとれる。
北極圏では最近の気候変動により、ホッキョクグマとグリズリーの生息域が広範囲で重なってきている。この接近が新種の
ハイブリッドグマの誕生へと結びついた。グリズリー譲りで爪が長く木の根を掘るのに適していて、ホッキョクグマ譲りで首が細長く海を泳ぐのに適している。
気候や環境の変化に翻弄される動物たち。イグアナもホッキョクグマも生き残りをかけ、自ら新しい進化の道を歩もうとしているのか。
■ 地球データマップ『滅びゆく野生生物』
アブラヤシからは、洗剤や植物油などの原料であるパーム油がとれる。インドネシアのスマトラ島では、そのアブラヤシの生産のために森の木が伐採され、プランテーションが拡大している。しかしそれは、その森に住むゾウたちとの悲しい衝突を生んでいる。人間の都合のしわ寄せで、ゾウたちの命が奪われているのだ。
今、日本ではシカが増えすぎている。それは、食物連鎖の頂点に立っていたニホンオオカミを人間が滅ぼしたからだ。「山の神」であったニホンオオカミは、1905年奈良県での発見を最後に姿を消した。
アムールトラは現在400頭、サイは数千頭、ホッキョクグマは今世紀中に、チンパンジーは50年後に絶滅するといわれている。このように哺乳類の4分の1が絶滅の危機に瀕しており、このままでは動物園は絶滅危惧種園になってしまう。
原因は言うまでもなく人間による環境破壊である。しかし、私たちはふだん、ものすごいスピードでものすごい数の野生生物が
絶滅し続けていることなど実感も意識もしないで生きている。
自分たちの命が他の命とつながっていることを忘れている。人間だけで地球に生き続けることはできないのに。
■ 素敵な宇宙船地球合『大河アマゾンの奇跡』
南米、アマゾン。ここに幻と言われるピンクイルカがいる。そのイルカたちに危機が迫っている。横行する密猟者、イルカの目玉が魔除けになるという迷信が追い討ちを掛けている。そして押し寄せるダム建設という開発の波が生息地を脅かす。ピンクイルカたちはどうなってしまうのか。
地元の子供達にピンクイルカと触れ合ってもらう。そうすればイルカへの誤解は解けていく。
「イルカは魔物じゃない。子供たちはここでそのことを学び、家に帰ってお父さんお母さんに話します。すると親たちも子供に教えられ、迷信は間違いだと気づくでしょう。私たちが目指すのはそれなんです」と、イルカを呼ぶ少女
モニーケは語る。
■ RABニュースレーダー『再生のシンボル』
弘前市小沢地区の里山に「
弘前だんぶり池」がある。「だんぶり」は津軽弁で「トンボ」のこと。トンボが群れで飛び交う昔ながらの自然を取り戻そうと、市民ボランティアが立ち上がった。メンバーは使われなくなった休耕田に群生したヤナギの木を根気強く掘り起こすなどして、10枚の特徴ある湿原に再生した。トンボの尻尾と同じ10の節がある「だんぶり池」の始まりである。
そして、だんぶり池にはいろんな生き物が戻ってきた。昔に戻せば生物は戻ってくるのだ。
自然保護から自然の再生へ。だんぶり池の取り組みは「
できることからやる」ことの大切さを訴えている。
<今月のサブ・テーマ:食糧危機>
■ ビートたけしのTVタックル『最悪の食糧危機がやってくる』
深刻化する地球温暖化。オーストラリアは史上最悪の干ばつに見舞われている。世界各地を襲う異常気象、大打撃を受ける農作物、オイルショックともいうべき原油高、食糧品の値上げが止まらない。
ハイチではあまりの食糧価格の高騰に国民の怒りが爆発、政権まで倒れた。穀物を燃料に換えるバイオエタノールの開発が、更なる食糧不足に拍車をかけている。
いま世界は、「
静かなる津波」と言われる食糧危機に飲み込まれようとしている。この危機的状況の解決が期待された「ローマ食糧サミット」も成果は上がらなかった。
食糧自給率が
39%しかない日本にもフードパニックは押し寄せている。消えたバター問題、毎週のように発表される食糧品の値上げ、その値上げの波は学校給食にまで及んでいる。
一方では、産地偽装など法令違反も繰り返され続けている日本。更には食の安全までもいつの間にか崩壊してしまっていた。食のスキャンダルも後を絶たない。
もはや日本の食糧問題に明日はないのか。日本人が飢え死にする!?最悪の
食糧危機がやってくる。そうした恐るべき事態が迫っている。
■ 世界一受けたい授業『お米を食べて健康になる』
皆さんは、毎日お米を食べているだろうか?現在日本人が米を食べる量は、お茶碗で1人1日平均
1.4杯!戦後のピーク時に比べ、なんと半分近くまで減っている。
しかし逆に海外では、ヘルシーフードとして人気が高く、高騰する小麦を補う穀物として世界各地で食べられている。日本だけがなぜかお米離れなのだ。
そこで、ご飯をおいしく食べるための<お米の正しい研ぎ方>をお教えする。
お米から甘味やうま味出てしまうのでお湯は使わず、冷たい水で表面の汚れを取るようにやさしく
3回位すすぐ。今のお米はよく精米されていてヌカなどはついていないのだ。ポイントは最初の水はすぐに捨てること。
新米はとくに割れやすいので水切りはしない。水につける時間は30分で十分。夏場の長時間は良くない。
そして炊き上がったら、お米の粒をつぶさない程度に素早く優しく手早く切る(混ぜる)。
以上、お試しあれ。
■ 世界一受けたい授業『今、地球の水が危ない』
水の惑星、地球。しかし、実際に私たちが利用できる水資源は驚くほど少ない。
2リットルのペットボトルに入った水を地球全体の水の量とすると、97.5%は塩水。塩分のない水はわずか2.5%。さらに、そのほとんどは氷河や地下水。利用しやすい川や湖の水は
0.01%で、1滴の雫にも満たない。
皆さんは知っているだろうか?この限られた資源をめぐり、世界各地で
水争奪戦が巻き起こっていることを。今後も途上国の人口増加、地球温暖化が進めば、水不足はさらに深刻化。このままでは大規模の紛争に発展する可能性もあるのだ。
国連の推計によると年間
200万人位の子供が安全な水がないために亡くなっている。200万人とは15〜20秒に1人の割合だ。2050年には、渇水で困る可能性がある人口が40億人位になるという推計もある。
私たちは1人1日、10リットルのバケツ何杯分の水を使うのだろうか。
ケニア人は2杯、中国人は5杯、アメリカ人は23杯、そして日本人は
28杯である。世界平均の倍である。
いったい何に使っているのか?一番は
トイレ、1回15リットル位使う。
しかしそれ以上に、
バーチャルウォーターと言われる食べ物を作るのに必要な水を考えると、
みそ汁1杯で110リットル。おにぎり2個で600リットルの水が使われている。
日本は海外の水を大量に使って作られた食べ物に頼る世界一の食料輸入国。しかしその3分の1以上を食べ残して捨てている。食べ物を無駄にしないことが、世界の水を大事にすることにつながるのだ。
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【参加者の感想】
Aさん
今回は「滅びゆく野生生物」をはじめ多彩なビデオを見せて貰ったが、特に、南極はこの50年で2.5℃に上昇した結果、気温が20℃になることもあり、ペンギンの子供が熱中症になっている事実。ここまで来たのか、の感じで実にショックでした。何かしなければという思いを強くしました。
Bさん
滅びゆく野生生物。水問題で戦争が始まるだろう。日本があぶない。食糧、水問題、…色々と。
Cさん
豊富な水資源にも限りが有る事を知った。日頃から、トイレでの水の無駄使いが気になってたけれども、工夫が必要な気がした。
Dさん
バーチャルウォーターにはびっくりさせられた。食物の大半が輸入に頼っているのに、食べ残しが多いのは罪だなあと感じた。普段の自分の生活はもちろん、子供にも環境問題に対する意識を持った生活をさせたいと思う。
Eさん
又出来次第お願いします。
