今月のテーマ 

2014/3/22

坐骨神経痛と手術痕(帝王切開・虫垂炎・胆嚢摘出)  毎日の手技療法

坐骨神経痛・腰痛と手術痕(帝王切開・虫垂炎・胆嚢摘出)


60代女性   兵庫県尼崎市    来院患者様からのご紹介


[来院時の状態]

腰痛と右脚の痺れ(痛み)を主な症状として身体を起こして歩くことが困難な状態で来院されました。

整形外科でのレントゲン検査により骨の異常は診られず、坐骨神経痛と診断されております。治療は痛み止めの飲み薬と湿布が処方されておりましたが、症状は軽減せず、むしろ痺れは悪化してきたため当院にお越しになりました。


[検査・評価]

下肢症状の確認としてSLR(下肢の挙上検査)を行うと、右脚を30度挙上したあたりから太腿からふくらはぎの後ろの痺れ及び痛みが強くなります。

足の各部のアライメントや筋肉の捻れ、筋膜の緊張の状態を調べてみますと、若干のねじれや緊張は見られるが座骨神経痛の直接的な原因と考えられるような問題は見られませんでした。

そこで、見方をガラリと変えて過去の病歴でお聞きしていた手術の後の傷(瘢痕)を一つひとつ調べて行きます。

この患者さんは、子供の時の虫垂炎の手術痕、帝王切開の手術痕、胆嚢摘出の手術痕、と3ヶ所に手術痕があります。


[考察]

詳しい触診と検査により、色々なことが解ってきました。

胆嚢の手術痕が右脚の下肢症状(痛みと痺れ)に大きく関与しており、手術痕の付近の膜の緊張が緩む方向に圧を加えると下肢症状がかなり軽減します。可動域も増えました。

帝王切開の手術痕は前屈時の腰痛(仙骨付近の痛み)に大きく関与しておりました。
手術痕の付近をこの部位に対しては減圧(持ち上げるように引っ張る)と痛みを伴わずに前屈することが出来ます。



近年の欧米の臨床の現場では手術痕が運動機能に対して大きな影響を与えていることに注目して、様々な研究や技術が発表されております。

しかし現在の日本の臨床の現場ではほとんどこの事実が考慮されていないため、原因がわからないまま痛み止めなどの対症療法が行われています。

「手術痕へのリハビリテーション」プログラムを私たちが少しずつでも広めていければ多くの患者様の手助けになるかと思っております。



今回の患者さんは20年程前に私の師匠、故角野DCのところに通われていたそうです。

物凄いご縁を感じながらも、「手術痕へのリハビリテーション」をシッカリ行って問題点を解決していく所存です。


ご来院有難うございました。
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2014/3/5

腰痛・肉離れ・オスグット  毎日の手技療法

腰痛・肉離れ・オスグット


10代男性   兵庫県伊丹市   患者様からの御紹介


[来院時の状態]

野球部に所属する高校2年生、腰痛を主訴として来院されました。

詳しくお話を聞きますと・・・
中学1年生の時に「オスグット」を発症して近くのスポーツ整形外科を受診されてます。

週2回、整形外科で電気治療を受けるのですが、安静の指示しかされず2ヶ月ほど野球をお休みすることになったのですが症状は変わらず、結局痛みに耐えながら野球に復帰したそうです。

いわゆる外野球(硬球を使ったクラブチーム)に所属していたため、痛みや故障で長く休むと居場所がなくなるので、多くの子供達は故障を隠して練習に参加してレギュラー争いをするそうです。

その後、徐々に痛みは落ち着いてきたのですが今度は同じ側の太ももの前の肉離れを何度も繰り返していたそうです。


[検査・評価]

・片足立ちでの屈伸をやってもらうと上手くできません。
特に症状が強く出ている側は足部の側方安定が悪く膝を内に巻き込む代償運動が起こっています。(この代償運動があらゆる運動障害や成長期の問題に大きく関与していると私は考えております。)

・腰の屈曲伸展(曲げ伸ばし)の動きで腰背部(骨盤の上から肋骨の下まで)に痛みが出ます。

・ひざ下の部分はオスグットによる変形の度合いもかなり酷く大きく尖った様に出っ張っています。また触ると飛び上がるほどの痛みがありました。


[メカニズム考察]

「大腿四頭筋」は太ももの前で股関節や膝関節の曲げ伸ばしのために働く筋肉なのですが、四つの筋肉が一つに集まり膝蓋骨(膝の皿骨)のすぐ下で下腿(スネ)の骨に付着しています。

成長期にはこの部分がいわゆる成長点となり骨の長さを伸ばすために増殖しやすくなっています。

この患者さんの場合は、太ももの前の筋肉「大腿四頭筋」の四つの筋肉のうちの内側広筋、中間広筋が足部の動揺を抑えるために常に締まった状態をつくり代償運動を行っていたようです。(代償運動のパターンは個人差があります)

四つの筋肉のうちの二つが締まったままの状態で本来の大腿四頭筋を使う運動を行うと筋肉が捻れた動きになります。

その結果、筋肉の付着部であるスネの部分に強い捻れを伴う引っ張る力が加え続けられることが、その部分の強い痛みを伴う骨の変形(コブの様に出っ張りができる)が起こるいわゆる「オスグット」が発症するメカニズムであると考えられます。


骨の成長のスピードが遅くなってくると、今度はその負荷が筋肉そのものに掛かることになり「肉離れ」の原因になっていたものと思われます。

つまり、「オスグット」が治まると「肉離れ」が起こり、「肉離れ」が治まると「オスグット」が悪化する・・・原因である捻じれのパターンを改善しない限りこの負のスパイラルから抜け出すことは出来ないようです。


[施術の方針]

・症状へのアプローチ

初回は代償運動により起こっていた股関節や下腿の筋肉や筋膜の問題に対して手技により調整を行ったのですが、特に内側広筋、中間広筋に対して重点的に手技を施した結果、膝の下の「オスグット」の痛みは激減し、腰痛はほとんど感じなくなるまでになりました。
(ただし、足部の動揺が安定しない限り先ほど説明したメカニズムにより再発します。)


・原因へのアプローチ

今後は、足部の動揺の原因として考えられる足部の関節や筋肉のアライメント調整や筋膜の調整を行った後に、正しい起立姿勢の制御のパターン学習のためのエクササイズの指導などを予定しております。



成長期は良くも悪くも反応が早く、間違えた身体の使い方にもすぐに適応します(歪んだ使い方に合せて歪んで成長する)し、正しい道すじを示せばドンドン良くなって行きます。

今回のケースからも、成長期こそ「その場限りの対症療法」ではなく、「根本原因に対しての早めの対応」が大切だと改めて思うことになりました。


ご来院ありがとうございました。



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