今月のテーマ 

2011/6/28

かかとの痛み(足首痛)A  毎日の手技療法

かかとの痛み(足首痛)A


14才 女性  兵庫県 西宮市

【フィギュアスケート】選手の前回からの経過報告です。

明らかにおかしなアライメント(位置関係)になっているのですぐにでも修正したかったのですが、ある問題の可能性に気づき今回は見送ることにしました。次回に普段使っているスケートシューズを持ってきてもらい、その靴を確認してから足首の調整に入ることを告げておわりにしました。

ということで・・・

スケートシューズを細かくチェックしたのですが、予想通りにこの選手のシューズはかなり特殊に加工調整されたものでした。

足首のアライメントの異常(かかとが内向いている状態)やO脚などの歪みや体重のかけ方の問題をシューズでかなりの部分補っていたようです。シューズの足が入る部分だけでなくブレードの足に対しての向きや傾きまで細かく調整(つまり角度をつけてあります)されています。

このような調整は相当な技術と経験が必要であると思われますが、「シューズの巧みな調整により歪んだ足や間違えた荷重の状態のままで滑ったり飛んだり出来るようにしていた」ことになります。

選手の技術向上に伴いより高く強く飛ぶことが必要になり、また成長期なので身長と体重が増加します。そのため、歪んだままの関節が繰り返される負荷の増加に対して遂に持ちこたえられなくなったということでしょう。

かかとの内側の痛みは踵骨と距骨の間の関節で起こっており、この関節面と地面との角度を許容範囲内に修正すれば痛みはかなり改善するはずです。

関節の可動や筋肉、筋膜の制限に対し適切な施術を加えることで、踵の角度や足首の動きはかなり改善し治療室の中で「踏切の時の強く床を蹴る動作」を再現してもらっても痛みはほとんど感じなくなりました。

 ここで前回心配していた問題点が重要になってきます。

足の地面に対する問題が改善していくと、今度はシューズとの関係性に問題が生じてきます。つまり、シューズがリンクの氷を捕まえられない可能性があり、競技が上手くいかないかもしれません。ひょっとするとリンクで立てないくらいに合わなくなっているかもしれません!

そのことを本人と親御さんにしっかり説明して終わりにしました。


1週間後、経過をお尋ねすると・・・

前回施術の後すぐにリンクに行って滑ろうとしたのですが予想通り立つ事も険しく、すぐに練習は終了しました。そして、シューズの再調整のためにショップに行かれたそうです。(有りがたいことに新しい靴に変えるタイミングだったそうです)

そうしたら、うまい具合にシューズの調整をしていただける職人さんがたまたまショップに来ていたそうです。

すぐに調整についての相談をするのですが、スケートシューズの調整が出来る職人さんはあまり多くなく(この人だけなのかも・・・)常に予約がいっぱいで普通に依頼すれば1カ月先とかになるそうです。

ところが、今回の問題(かかとの痛み)やそれに対しての当院での施術や経過の話を職人さんに説明しているうちに、何と職人さんのお嬢さんが当院の患者さんであることがわかり、その後はとんとん拍子に話が進み次の日に調整してもらえることになったそうです。

何という御縁でしょうか!お話を聞いて思わず鳥肌が・・・有りがたいことですね!

新しいシューズの調整は普通は1回で上手くいくことは無く試行錯誤しながら何度も調整を重ねて上手く滑れるシューズに仕上げていくそうですが、今回は1回で(と言っても4時間かかったそうですが)上手く馴染み、その後の滑りやジャンプなども今まで以上に上手く出来るようになり、かかとの痛みも出なくなったそうです。


今回のケースは皆様のおかげもあり、大変順調にいっております。今後の彼女の活躍が楽しみになってきました!

ありがとうございました。
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2011/6/26

頭蓋骨の模型  ひとりごと

こんばんは。

皆さん、今話題の「仁」の最終話、観ました?

今日が最終回だったのですが、こちらの想像をはるかに超えた感動的なエンディング、やられました!

「思わず涙が出てくる感動」とは違うんです。ドラマの終わりに近づくにつれ全身がむずがゆくなり、何だか全身がぞとわぞわと・・・まさに鳥肌ものでした。

たかがテレビのドラマなんでしょうが、私にとっては久しぶりに見ごたえのあるドラマでした。

こんな気分になったのも、本当に久しぶりです。


何だか「ありがとうございます」という気持ちになってしまいました。


さて、私の週末は久しぶりに予定もなく時間が十分にあったので、前々から計画していました作業を行いました。

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何だかわかりますか?

これは頭蓋骨の模型です。それも分解ばらばらにできる西ドイツのソムソ社製の精巧なレプリカなんですが、元々は骨の色をしています。

そして、いつも勉強に使っているテキストが「ネッター解剖学図譜」という大変イラストが美しい本なのですが、この中で各パーツごとに色分けされた頭蓋骨が大変わかりやすいため、前々から模型も同じ色なら良いのにと思っていたのです。

もちろん、ソムソ社とネッターの出版元は全く違う会社なので、「ソムソ社製頭蓋骨模型・ネッターカラーバージョン」はこの世に存在しません。

それなら「自分で塗ってしまえ!」ということで、こんな出来栄えになりました。

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高校生や大学生の時分はプラモデルなどを結構い精巧に作って色まで完璧に再現したりしていたのですが、社会人になってからは全くやらなくなっていました。

模型屋さんに行くのも26年ぶりかもしれません・・・それでも何とか頑張ってみまたのですが結構うまく塗れてますよね!

久しぶりの作業だったのですが、懐かしく楽しい時間になりました。

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2011/6/23

わき腹の痛み(肋骨痛)  スポーツ・ダイエット

わき腹の痛み(肋骨痛)


60代女性  兵庫県 伊丹市

五十肩の治療のために通われている患者さんなのですが、「おかげさまで肩の症状はほとんど感じないくらいに良くなったのですが、相談したいことがあるのです」とのことです。

その内容は、3年ほど前に飛行機に乗ってシートベルトを締めたままで下に落とした物を無理に拾おうとした際に、左の脇腹に強い痛みが出たそうです。その時は触らなくても痛みがある状態だったのですが、安静にしていると徐々に痛みは治まり、数週間後には治ったと思うくらいにまで回復したようです。

ところが、しばらくしてから傷めた時と同じようなポーズ(左下の物を拾う動作)をするとわき腹の1か所に強い痛みが出るようになったのです。それが3年たってもいっこうに治らないので、「一度整形外科で調べてもらった方が良いのでしょうか?」と相談されたのです。

痛みの部位を確認してみると・・・

左の8番目の肋骨で身体の真横の一点、大きさは1センチにも満たない小さなポイントで、しっかり押さえておかないとすぐに見失ってしまいます。

この痛みのポイントはどうも「テンダーポイント」のようです。別名「ジャンピング・ポイント」とも呼ばれ、軽く押さえるだけでも飛び上がるような痛みが出るのです。

外傷をきっかけとした炎症が筋膜のシステム上に癒着性の繊維形成を起こさせ、正常な弾力性のない部位を形成します。
この部分が、その後の様々な動きの中で動きの悪いバンド状の緊張部位を形成し、このバンドが様々な動きを阻害することで組織レベルでは外傷性の様々な反応(緊張、炎症、虚血、など)を繰り返し起こす悪循環に陥ってしまい、組織の中に過度の過敏性、収縮性の局在性炎症を持つ「テンダーポイント」を形成、維持すると考えられています。

この患者さまも、飛行機の中での受傷からの修復過程で筋膜組織上に瘢痕性の癒着が形成されてしまい、その後の生活の中で同じような動作を繰り返しているうちに「テンダーポイント」になってしまったようです。

一度この「テンダーポイント」が形成されてしまうと、日常生活ではこのポイントを刺激するような動きは自然と避けられるように学習されていき、その結果身体を無意識に歪めて使う運動パターンを獲得してしまいます。この歪んだ運動パターンを繰り返すことで他の部位に新たな問題が生じることにつながっていくのです。

新たな問題が出る前に、この「テンダーポイント」を修正しなければいけません!

「ポジショナル・リリース・セラピー」というテクニックを用いて調整していくのですが、独自のポーズにセッティングして待つ事90秒で触るだけでも飛び上がる程痛んだ「テンダーポイント」の過敏反応は解消され、左下の物を拾う動作を再現しても全く痛みが出なくなりました。

大成功です!

ありがとうございました。
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2011/6/21

側弯症(そくわん症)  毎日の手技療法

側弯症(そくわん症)


8歳 男性  兵庫県 芦屋市

昨年に親御さんが子供さんの背中から腰にかけての歪みが気になり、自宅近くの整形外科を受診されます。レントゲン検査の結果「脊柱側弯症」と診断されますが、側弯の程度は15度ということで特に治療も指導も無く、「半年後にもう一度レントゲンを撮りましょう」ということになりました。

何もしてもらえないことに不安を覚え、半年後は側弯症に関してインターネットで詳しく調べて兵庫医大を受診されます。
側弯症の研究が盛んで症例も多いと期待して行かれたのですが・・・「脊柱側弯症」と診断され、やはり何の治療も指導も無いまま「半年後に再度レントゲンを撮りに来てください」ということになってしまいました。

そこで、お友達に当院を紹介されて来院されることになったのです。

最近では、小学校の検診などで側弯症の簡単な検査が行われるようになってきているようですが、その検査で「側弯症の疑いあり」となった場合は、整形外科などの医療機関で詳しい検査が行われます。

多くの場合、今回のケースのように「要観察」となり経過が思わしくない場合は装具(コルセット)の着用、更に悪い場合は手術となるようです。

ただ、経過を良い状態に持っていくための提案や指導がほぼ無いに等しいため、患者さん側でも打つ手がなく不安を抱えたままで悪くなるまで放置している状況になっていることが多いようです。


この患者さんの状況を詳しく観察すると・・・

・姿勢はとても悪く、座らせると背中が丸くなってしまいます。

・座った状態では身体の回旋(左右に廻す動き)に明らかな左右差があります。

・立った状態で身体の前屈(前にお辞儀をする動作)をちょうど90度のところまでやってもらい、背中の高さの左右差をみると右側が大きく盛り上がったようになり、背骨も左右にくねっています。

・骨盤は左右で捻じれた状態で、仙骨(背骨を下から支えている骨)の上の面が左に傾いています。

・足元に目を向けると、内股で足首が内側に捻じれ、足の小指側で立っています。


また、この患者さんは2年前に「水腎症」という病気になったことがあるようです。ひょっとしたらこの病気が側弯のきっかけになっているかもしれませんね!

(*腎臓で作られた尿は腎盂(じんう)から細い管(尿管)を伝わって膀胱に流れ込みますが,その通り道が何らかの原因で拡張した状態を水腎症と呼びます.)


側弯症のポイントは、脊柱の土台になっている骨盤の傾きや捻じれをしっかり取ってあげることなんですが、そのためには足のねじれや歪み、間違った立ち方や歩き方を修正していく必要があります。

また、背中側にある肩甲骨の位置の異常も側弯症には大きく影響していきますので、日常の姿勢や寝る時の身体の向き(上向いて寝ること)などを改善するだけでなく、肩甲骨と肋骨の関係性に対するエクササイズが必要になります。

内臓の病気の影響に対しては、腹腔(お腹の中)の膜の緊張(引きつりや滑走の悪化)を緩和する手技を行いました。


これらの施術や指導を5回ほど受けていただいたころに、ちょうど兵庫医大での再検査の日程になりました。

結果は「ほぼ正常に戻っている」とのことでした。大学病院の先生が「進行の具合を観察するために半年に1回検査をするのですが、今回のように正常に戻っていることはきわめて稀です。どうして治ったのでしょうね!」と驚いておっしゃったそうです。

上手くいって良かったですね!

この患者さんはその後も月1回のペースでメンテナンスに通われておりますが、現在のところは再発の兆しもありません。
しかし、本当に注意が必要なのは2次成長期である小学校の高学年から中学生にかけてで、身長が急に伸びる時期をどれだけ上手く乗り越えるかが大切なのですね。


ありがとうございました。
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2011/6/19

サマーカット  ひとりごと

こんばんは。


おかげさまで今週末も忙しく過ごすことができました。

土曜日の塚口の治療院は朝の8時半から夕方の4時半まで食事する時間もないほど忙しく治療に追われておりました。そして終了と同時に急いで池田市の治療院に移動して勉強会を5時半から開催です。

今回は「モーションパルペーション」の総まとめで、実際に治療形式でデモを行っていきます。

いつもの軟部組織のリリースや姿勢制御の考え方は横に置いておいて、モーションパルペーションから得た情報だけを頼りに治療を進めていくのはなかなか大変です。

ついつい、いつものような思考パターンや流れに持ち込もうとしてしまいがちなのですがそこは我慢、それをやってしまってはわざわざ時間を割いて勉強している意味がありません!

知識や技術の引き出しは多ければ多いほど治療に厚みが出てくるのですから、どんどんチャレンジです。

頭の中をまっさらにして改めて取り組むと本当に新鮮な気持ちになり、また新たな発見もあり、明日から今まで以上に良い形で患者さんと向き合えそうです。


今日の日曜日は、患者さんとして来られているバレエスクールの先生が主催されている「バレエスタジオM」の発表会に参加するために、東大阪まで行ってきました。

といっても、私の集合時間はリハーサルの終わりかけの時間で、本番までの間に先生やゲストのダンサーさんのコンディショニングを行うのです。

そのあとはゆっくり客席から眺めようと思っていたのですが、今日のホールは参加者の父兄さんたちであふれかえっており、何と立ち見になってしまいました。

みんなさん本当に熱心で、このような雰囲気は私は大好きですので私も楽しく過ごすことができました!


無事に発表会も終わり自宅に帰ると、うちのバーニーズのお譲ちゃんが「サマーカット」になっていました。


これは出かける前のボサボサのバニチャンで、私が写しました。

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そして、サマーカットになった後の写真を写しておいて貰ったのがこれです!

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何だか違う種類の犬になってしまったようですが、ワンちゃんにも「クールビズ」ですよね!
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2011/6/17

太ももの肉離れ(内股・O脚)@  毎日の手技療法

太ももの肉離れ(内股・O脚)@


18歳 男性  兵庫県 西宮市

野球部でピッチャーをやっている高校生です。

10日前から投球動作を繰り返すと太ももの内側に徐々に痛みが出てきたのですが、今までならしばらくすると治まっていたのでそのままにしておいたそうです。ところが今回はマシになるどころか走るのが痛くなり出し、そのうちに歩くだけでも痛みが出てしまい、来院時には椅子に痛くて座れないほどになっていました。

身体全体の様子を観察すると・・・

・傷めている太ももの内側は炎症がひどく(腫れ上がって内出血しています)触れるだけで強い痛みがあります。

・太ももの前の筋肉におかしな張りがあり、筋肉に段差が出来ています。(過去に重度の肉離れを起こしているかもしれません)

・太ももの内側だけでなく、全体の皮膚がつっぱり、皮下でほとんど滑らなくなっています。

・骨盤は左右で形が違ういわゆる歪んだ状態です。

・骨盤は左に寄ってしまい、回旋運動に左右差があります。

・下腿(ふくらはぎ)の筋肉が大きく巻き込んだように捻じれ、内股気味になっています。

・足首はかかとが内側に入り込み、小指側でしか地面と接地できないような状態です。

・足首の背屈(足先を上に向ける動き)に著しい制限がみられます。(12度以上曲がりません)


全体の様子から、今回の「内ももに痛みが起こったメカニズム」を考察してみると・・・

・足首の機能異常から地面に対して捻じれた状態で踏ん張ろうとするのですが、軸が歪んでいるために外側に流れてしまいます。(バランスを崩す)

・崩れたバランスを補正するために股関節周囲の筋肉を安定的に働かせるのですが、結果的に運動範囲が狭くなってしまいます。

・また、上半身や骨盤が上手く動かなくなっており、特に回旋運動に制限が起こっているため、投球動作で下半身を過剰にねじることになってしまいます。

・他にも上手く機能していないところはたくさん見つけました。(細かすぎるので書ききれません)


このような状態では本来は上手く投球が出来ないはずなのですが、そこはこの子のセンスともともとの運動能力の高さ、それに加えて若さなどが加味され、後は「気合と根性」で今日までやってきたのですが・・・遂に部品が無理な使い方に耐え切れずに壊れてしまった・・・というような感じでしょうか。

1回目は筋膜の調整を主に行ったのですが、触れるだけでも痛かったのがかなり改善されました。椅子にも普通に座ることが出来ます。

2回目は次の日に来てもらったのですが、腫れはかなり減少、内出血の範囲も減っていたので、深い層の筋肉の膜の滑走を回復するような施術を中心に行いました。

また、根本的な原因は足首の機能異常にあると考えていますので、足首のアライメントを整えるための施術を合わせて行い、自宅では「ストレッチボード」を使ったエクササイズを始めるように指導しました。

3回目は3日後に来院されたのですが、明日に投球する予定があるとのことです!故障中なのに・・・

仕方がないので、傷めた部位以外の筋肉や関節を出来るだけ上手く使えるように調整することで、傷めた筋肉の負担を出来るだけ減らしていきます。

動作での痛みはかなり減少したのですが、太ももの前の筋肉(段差のある)の動きの悪さが傷めた部位に大きく影響しています。
筋肉の質の変化(改善)は急には起こらないので、筋肉の動きと働きをサポートするためのテーピングを施しました。(一般的な固定を目的とするテーピングではありません)

上手くいくと良いのですが・・・この続きはまた紹介するつもりでいます。

ありがとうございました。
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2011/6/14

かかとの痛み(足首痛)@  毎日の手技療法

かかとの痛み(足首痛)@


14歳 女性  兵庫県 西宮市

この患者さんは【フィギュア・スケート】の選手で、当院の患者さんのバレエの先生からの紹介です。

バレエの先生から、「バレエを指導しようとしたらつま先立ちすら安定して出来ないのです。ジャンプをさせてもドタドタしているし、きっと足の筋肉が上手く使えなくなっていると思います。」と前もってうかがっていたのですが・・・

症状は、練習を繰り返していると(特にジャンプ)足首の内側(かかとと内くるぶしの間)に激しい痛みがでてきて、ふくらはぎもバンバンに張ってきてしまい、最後は飛ぶことすら出来なくなってしまうとのことです。

詳しく調べてみると・・・

・左右の足首から下(特に右のかかとの骨)が内側に入り込んでいます。

・左右のふくらはぎが巻きこんだように捻じれています。

・左右のふくらはぎ(特に左側)の筋肉が硬く、皮膚や筋膜も異常につっぱっています。

・足の指先を曲げる動き(にぎる動き)がほとんど出来ません。

・つま先で立つとグラグラ不安定になり、すぐに支えきれずに落ちてしまいます。


「よくもまあこのような状態でジャンプしながら回転して着地できてましたね。少し信じがたいです!」と私がコメントしますと

お母さんが「調子よく飛べる時は本当に上手く出来て、3回転はほぼすべての種類を飛ぶことが出来るのですけれど、少しバランスを崩すと立て直すことも出来ずに転んでしまうので、毎回神頼みみたいになってしまうんです。」

「足の指を曲げることが出来ないこと」が様々な代償を生み出していることをコメントしますと・・・

有名なスポーツトレーナーにもみてもらったことがあって、指の問題は指摘されていたのですが練習してもなかなかうまく出来ずに、そのうちに「真剣にやってますか」などと言われてしまい困っていたそうです。

また、筋力が弱いから上手く立てないと思い本格的に「筋肉トレーニング」を始めた方がよいのではと考えていたそうです。


初回は、すべての問題から優先順位の高い「足の指が曲げられない」ことにスポットを当てて施術をしていくことにしました。
とくに左の指は全く曲げることが出来ないくらいひどい状態です。(右側は曲げにくく動きがぎこちないような状態でした)


足の指を曲げる筋肉を支配している(脳からの命令をつたえている)のは脛骨神経の枝になり、ふくらはぎの奥深くを通っています。

この神経のルート上を詳しく調べてみると、ふくらはぎの筋肉の間で挟み込まれたようになっています。
また、指を曲げる筋肉もふくらはぎの部分で周囲の筋肉や筋膜に対して引っかかったようになっており、スムーズに動かすことが出来なくなっていました。

問題のある部分の筋肉や筋膜の滑走を改善する手技を行い、同時に運動パターンの再教育を行いますと、すぐにその場で指を曲げる事が出来るようになりました。

つま先立ちも少し安定したようなので、指を曲げる運動とつま先立ちのトレーニングを指導して終わりにしました。


2回目は8日後に来院されたのですが・・・

ジャンプや滑りで左足の動きが物凄く軽くなり、大変調子良かったとのことですが、「今度は右のふくらはぎの筋肉が上手く動いていないことがよくわかってきて、すごく気になった」とのことです。

そこで今回は左だけでなく右のふくらはぎの問題部位にも筋肉の働きを正常化する手技と運動パターンの修正を行いました。


3回目は1週後に来院され、右でも左でもジャンプするのがとてもスムーズになり、軽い力で高く飛べるのですべての回転が上手く出来る様になったのですが、「せっかく上手く飛べるようになったのに、繰り返し飛んでいると右の足首の内側が痛くなってきてそのうち飛ぶことも出来なくなるのです」とのことです。

いよいよ本来の問題に取り組まないといけません。

フィギュアスケートのジャンプは、飛ぶ瞬間にブレードの足の先側にあるギザギザの部分を強く床にたたきつけることでタイミングをとっています。

この時にあしくび(かかとの骨)の位置関係がよくないために、習慣性の捻挫のようになってしまい痛みが出ているようです。

裸足で立ってもらうと相変わらず足首はひどく内側に入り込み、いわゆる内股・O脚の状態です。

明らかにおかしなアライメント(位置関係)になっているのですぐにでも修正したかったのですが、ある問題の可能性に気づき今回は見送ることにしました。次回に普段使っているスケートシューズを持ってきてもらい、その靴を確認してから足首の調整に入ることを告げておわりにしました。

ここまでは大変上手く進んでおり、患者さんも私も満足しているのですが、これからが大変なのですね!


興味深い症例なので、この続きも追って紹介しようとおもっています。

ありがとうございました。
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2011/6/11

仙腸関節の構造と機能  手技療法総論

こんばんは!

明日、月1回のセミナー「モーションパルペーション研究会」があります。
以前にブログで紹介しましたが、この研究会は毎回復習テストとレポート提出があるのです。

今週の後半は患者さまが多く来院されたので忙しく、それに加えてテスト勉強とレポートの作成でブログの更新が思ったように出来ませんでした。ゴメン

また、研究会の先生方には私は「出来て当然」と思われているようで、テストもレポートも全く手を抜くことが出来ません。

他の受講生の方に比べてハードルがいきなり高いのです。プレッシャーですね!

私が若い時分(学生のころ)はテーマに関して本で調べたことを丸写しにしたような専門用語が羅列しただけのどうしようもないレポートが多かったのですが今回はそうはいきません。

そこで、気持ちを切り替えてブログに投稿するつもりでレポートを作成してみたところ、一般の人でも読みやすい内容に仕上がったので、本当にブログにアップしてみました。

良かったら読んでみてください。


仙腸関節の構造と機能


一般的に【骨盤】と言われている部分は、【仙骨】と左右一対の【寛骨】から構成されています。
仙骨は背骨を下から支えている骨であり、寛骨は両足の骨を股関節でつないでいる骨になります。

寛骨は発生学的には3つの骨が癒合したものであり、前側の部分が【恥骨】、座る時に椅子や床に着いている部分が【坐骨】、後ろで仙骨とつながっている部分が【腸骨】となっています。

そのために、左右の寛骨が前でつながっている部分を【恥骨結合】と呼び、後ろで仙骨を挟むようにつながっているところを【仙腸関節】と呼んでいます。

西洋医学の分野では仙腸関節は短くて強い靭帯でがっちりと固めるように連結され、解剖の検体では死後硬直のために完全に固まったようになっているため、昔は不動関節(動かない関節)とされてきました。

ところが近年では関節内部は髄膜関節であり滑液(潤滑液)によって満たされていることが解ってきました。これは動く必要がある関節にしか備わっていない仕組みなので、仙腸関節は可動関節(動く関節)であるという認識に変わってきています。

一方、カイロプラクティックをはじめとする手技療法の分野では仙腸関節は古くから可動関節(動く関節)として認識され、この関節の機能異常に対して様々な検査法や評価法、治療法などが研究開発されてきました。

仙腸関節の主な機能を簡単に表現すると、上半身の体重を支えるための【安定性】と歩行などの運動をスムーズに行うための【可動性】の両立であると言えます。
この相反する機能を成立させるためだけでなく、可動するときの運動軸を状況に応じて変化させて様々な複雑な動きをスムーズに行うことを可能にするために、仙腸関節は複雑な構造をとる必要があったと言えます。

また、手技療法の分野では「脳脊髄液の循環」のためのポンプの役割を担っているとも考えられています

仙腸関節の構造を少し詳しく説明しますと、仙骨側はガラス状軟骨と言われる構造で「つるつる」の関節面を持っているのですが、腸骨側は線維性軟骨と言われる構造でどちらかと言えば「ざらざら」の関節面を持っていますので上手く適合している(きっちりと嵌り込んでいる)とはいえません。

また、関節の接触する面の形状は「耳状面」と呼ばれるように耳の形(L字状の形)をしており、表面は複雑に凸と凹が組み合わさった構造になっているのですが、全体としてはお互いに凹面構造になっています。(一般的な関節は凸と凹になってかみ合うようになっています)

このような複雑な面構造を持っているため、運動の軸は様々な状況や機能に応じて変化しているものと考えられます。(たとえば、歩行運動と身体をひねるような運動、脳脊髄液のポンピングはそれぞれ仙腸関節の中の異なる軸を使った運動だと考えられています)

この軸を上手く使い分けることが出来ずに左右で異なる運動軸(本来の機能を行う軸ではない)になってしまった状態で様々な運動を続けた結果が、仙腸関節の機能異常を原因とする病変に繋がっていくものと考えられます。

「構造は機能を表す」と言われますが、このような複雑な構造を持つ仙腸関節の機能には様々な考えが存在し、中には全く逆の考えも存在します。
今後も仙腸関節の機能に関する研究が進んでいくことで、いまだに解明されていない機能が明らかになることを期待しております。
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2011/6/8

ぎっくり腰(急性腰痛)  毎日の手技療法

ぎっくり腰(急性腰痛)


50代男性  兵庫県 西宮市

3日前から腰に痛みが出てきて徐々に悪化、今日は椅子に座って立つたびに強い腰痛があるため座っていないとのことで、一年ぶりに来院です。

腰の様子を詳しく調べると・・・

・骨盤の歪みはあまり見られません。

・足のねじれもあまりありません。

・痛みの出ている部分は腰と仙骨の境目付近で、可動性を調べるとどちらかと言えば動き過ぎの状態です。

・胸郭(肋骨で囲まれた胸のユニット)の部分が硬く、可動性がかなり減少しています。

・上向きで寝転んだ状態で片足ずつなら痛みなく足を上げる事が出来ますが、両足をそろえてあげようとすると腰に痛みが出ます。


通常の腰痛の場合、足や腰にそれなりのねじれや筋肉のアンバランスがみられるのですが、この患者さまの場合は目立ったねじれや筋肉の問題がみられません。

一番気になるのは胸郭の部分が大きく膨らんだ状態のままで固まったようになっていることです。上向き寝から身体を起こす時も、胴体がほとんど曲がっていません。つまり、胸郭の部分があまりに硬くなり本来胸郭の部分で行うべき屈曲や伸展および回旋の動きをすべて腰で代償していることになります。

また、腹腔(お腹)の中の膜に引きつったような捻じれがみられ、その捻じれを修正するように手技を行うと両足をそろえたままで足を上げることが出来るようになりました。

腰をとり囲んでいる筋肉には捻じれや引きつれはほとんどなかったのに、お腹中の筋膜に捻じれや引きつれが存在して中から骨盤の動きを制限していたのですね!

胸郭の可動性を改善するための手技と腹腔の膜のリリースを終えると、イスから立ち上がる時にも腰に痛みは出なくなっていました。

身体の表面の筋肉や足の機能の問題だけに気をとられずに、広い視点で臨んだことが良い結果に結び付いたのでしょう。


ありがとうございました。
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タグ: 症状 カイロ 施術

2011/6/7

足の指の痛み(足部痛)  毎日の手技療法

足の指の痛み(足部痛)

60代女性  兵庫県 尼崎市


左の足の指が痛くなり、ひどい時には足首からふくらはぎまで痛みが広がり、歩くことさえ困難になるそうです。また、買い物に出かけると帰ってきてから足だけでなく全身に痛みと疲労感が出てしまい、毎回寝込んでいたそうです。


詳しく様子を調べてみますと・・・

・骨盤が左にしか振れなくなっています。(体重が左に偏っています)

・股関節は左右とも硬くなっており、伸展方向(足を後ろに蹴る動き)と回旋方向(内廻し・外廻しともに)に可動制限があります。

・左右のふくらはぎの部分で筋肉が巻き付いたようになり捻じれた動きしか出来なくなっています。

・肋骨が硬くなり、胸の部分で回旋(捻じる動き)が出来なくなっています。

・足の指の動きにスムーズさが無く、つま先立ちも出来ません。

・土踏まず(アーチ)の可動性がほとんどありません。


全体の様子から状況を考えていくと、骨盤の歪みは生活習慣から来るものと思われます。その状態に加えて足の指や足首の正しい運動パターンんが崩れており、筋力もうまく出せなくなっているようです。

また、肋骨の可動制限は「ボディスーツ」を着込んでいることが原因であり、胴体を固めてしまっているので足から来る歪みや負荷を上手く上半身で補正することが出来ずに直接足の部分がダメージを受けたものと思われます。

まずは「ボディスーツ」の着用をやめてもらうように指導しました。その代わりにと言っては何ですが当院オリジナルの「5本指サポーター」を履いてもらうようにしました。

このサポーターは履くだけで「足の指が自由に動くようになるためのエクササイズ」ができる優れものなんです。


また、下腿(ふくらはぎ)の捻じれや骨盤の動きを正しくするような手技を行います。股関節の可動制限も改善しておきます。

そのうえで、足の指を正しく使えるようにするためのエクササイズを指導していきました。

エクササイズは足の指だけに対しても、ステップ1からステップ5までの5段階に毎回少しずつ内容を変えながら行ってもらいます。

一度失った(忘れてしまった)正しい運動パターンをもう一度できるように修正していくためには、ただやみくもに筋トレやストレッチをしても上手くいかないのです。

固有受容器の感度の正常化、神経伝達の回復、、筋肉の滑走の回復、筋力の回復、筋持久力の回復、分離運動と統合運動の正常化、筋肉の制御の質の向上(細かくバランスがとれるようにすること)など様々な内容を順を追ってやらなければならないのですね。

一連の流れでエクササイズを行うことを2カ月以上続けた結果、この患者さんは足の痛みは全くなくなりました。

もちろん、歩行も安定していますし正しい歩行により身体の循環系も活性化され、買い物に出たあとの疲労感もでなくなりました。

現在も2週に1回のペースでコンディショニングにお越しになっていますが、毎回「調子が良い」と言ってくださいます。
また、ご主人が買い物に行くたびに寝込んでいた奥様がここまで良くなったことに大変驚いておられるとのことです。

ご夫婦そろって楽しくお買いものに出かけられるようになったのですね!


ありがとうございました。
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2011/6/5

血液をサラサラにするの良いこと?  ひとりごと

こんばんは。

今日は私の独り言を聞いてください。


先日、患者さまとの話の中で・・・


数カ月の間に片足のふくらはぎ付近に急激に静脈瘤を起こした方がいたそうです。

静脈瘤は血流が悪くなり、血管の中に血液が滞り、血管の中で血液が固まってしまう病気です。この固まった血液の破片がはがれて血管を流れていき、脳などの大切な部分で詰まってしまう事を梗塞と呼んでいます。

この方は、梗塞が起こらないようにとの考えで血液がサラサラになるお薬を処方されていたそうです。これはおそらく「血液凝固阻害剤」だと思われます。


その後、急な静脈瘤の原因を探っていくうちに、子宮に腫瘍があることが判明します。

この腫瘍が急激に大きくなることで足の血管を圧迫し、血液の流れを阻害したため静脈瘤が出来てしまったようです。

そこでこの腫瘍を摘出する手術をすることになるのですが、ここで問題になるのは「血液凝固阻害剤」を投与し続けていることです。

つまり、手術をすると当然ですが出血するのですが、この出血がお薬の効果で止まらなくなってしまうのです。

これでは手術することが出来ません。

そこで、血管にフィルターを一時的に取り付け(前もって手術で埋め込むのです)血液の中の浮遊物を除去する仕組みを作っておいてから「血液凝固阻害剤」の投与をやめます。

お薬の作用が完全になくなってから、腫瘍を摘出する手術を行い、その後再びお薬を投与し効果が出てきたところでフィルターを除去する手術を再度行うということです。

これは相当大がかりで手間のかかる手術ですね!


ここで、患者さまからのふとした疑問が・・・


今回の手術は腫瘍の摘出なので緊急性が低く、段階を追って対応しながら手術をすることが出来るわけなんですが、周りのお友達の中にも「血液をサラサラにするお薬」を飲み続けている人がいるそうです。

もし、このような人が急激な出血を伴う病気(たとえば脳内の出血など)になった時に緊急の手術をしたくても出来ないことになりませんか?

手術をやりたくてもお薬の作用が無くなるまで手術を待たなければいけない、でも待っている間に病状はドンドン悪くなっていくように思われます。

どうしたら良いのでしょうか?



・・・確かにそうですよね!


皆さんはどう思われますか?
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