今月のテーマ 

2009/4/30

メンタル・ストレス  ストレス

メンタル・ストレス

心理的ストレスの原因の中でも、「対人ストレス」は特に難しいストレスと言えます。今日は、「対人ストレス」について少し書いてみます。

「対人ストレス」とは、他人と自分の間に生じるものだけではありませんし、人の好き嫌いだけが原因ではありません。

多くの場合は、「価値観の違い」
もっと解り易く説明すると、「定められた基準」に対する違和感、不安、不満、怒り、恐れ、などが原因(ストレッサー)になっているのです。

余計に解らなくなったかも?…とりあえず、話を続けていきます。
まずは、3つのパターンを紹介してみます。

1.他人により定められた基準に対して、自分が当てはまらない事によるストレス
2.自分により定められた基準に対して、他人が当てはまらない事によるストレス
3.自分により定められた基準に対して、自分が当てはまらない事によるストレス

人により「定められた基準」とは価値観のようなもので、他の人と極めて近いことはあっても全く同じものは存在しません。

分かり易く例をあげてみると…

Aさん,Bさん.Cさんの3人はそれぞれ話すスピードが違います。
Aさんはかなりゆっくり話す人、Cさんは早口、Bさんはその中間くらいだとします。

AさんにとってCさんの話し方は、早口すぎて聞き取りにくいし、急かされているようで嫌だと感じるかもしれません。

逆にCさんにとってはAさんの話し方は、遅すぎてイライラすると感じているかもしれません。

これは、AさんとCさんの話すスピードに関しての定められた基準が違うために、お互いにストレスを感じているのです。

おもしろいのは、Bさんは中間的な基準であるので、誰にでも対応できると考えがちですが、Aさんにとっては早口でせっかちな人と思われることもあり、またCさんにとっては遅くてイライラする存在にもなり得るのです。

多くの人は、両極端の定められた基準よりもこの中間的な基準の場合が多いと思われるのですがどうでしょうか?

つまり、自分により定められた基準に従って話しているだけなのに、相手にとっては定められた基準が違うために、ある人には「早口でせっかちな奴やなぁ」と思われたり、別の人には「遅くて鈍くさい奴やなぁ」と思われたりするのです。

なんだか、おもしろい話になってきたでしょ!

まだまだ続きますよ
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2009/4/28

師匠との別れ  ひとりごと

一昨日、日本カイロプラクティックアカデミー 学長の角野義則D.C.がご他界されました。(享年57歳)

角野先生は、私がカイロプラクティックを学んだ学院の学長であるだけでなく、私の師匠でもあります。

「俺は120歳まで生きるんや!」といつも言っておられたのに半分の60歳になる前にこんなことになるなんて…知らせを聞いても頭は真っ白、どうリアクションをとれば良いかも判らずに、ただ呆然としていました。

昨日の夜、診療が終わった後に急いでお通夜に駆けつけました。お焼香をすませた後、奥様にどうしてもお礼を一言伝えたかったので、係の人に呼んでいただきました。
奥様にご挨拶をしようと話し始めた瞬間から、今までのいろいろな出来事が急に頭の中を駆けめぐり、涙が止まらなくなってしまいました。

私が初めてカイロプラクティックに出会い、勉強することになったカイロプラクティック学院は、当時(20年くらい前)有資格者(医療関係の国家資格を有する者)しか入ることが出来ない、とても敷居の高い学院でした。

学院の1年目前期は、今まで勉強してきた解剖学と生理学が使える知識になっているかを確認するような内容で進んでいき、確認試験に合格するまでは仮入学という扱いでした。(試験に落ちたら、次年度に再チャレンジ)

解剖学と生理学の勉強と併行して、カイロプラクティック概論などを勉強していったのですが、その中でもバイオメカニックス(生体力学)や各種検査学についての勉強は、鍼灸の学生時代には全く経験したことが無いものばかりで、おもしろくてしかたがありませんでした。

1年目を過ぎるようになったころから、「カイロの勉強はおもしろいし、知識も着実に身に付いてきているけど、普通の治療院に勤務しているだけではカイロプラクティックの臨床経験は全く積むことが出来ないぞ! これは治療家としては致命だ!!」と考えるようになりました。

若気の至りとでも言いましょうか、当時の私は思い立ったらどこにでも…という感じで、当時の支部長に相談、いや直談判に飛び込んで行ったのです。

「支部長、このまま学院で勉強を続けていくら良い成績を残しても、私はいつまでたっても良い治療家になれるとは思えません。臨床の経験が必要だと思うので、先生のところで私を雇ってください。」と自分を押し売りしてしまいました。

支部長はさんざん悩んだ後に、「君は優秀だから、僕の所に来るよりも角野先生の所へ行くほうが君のためになると思うよ。今から連絡して僕からお願いしてあげるよ!」と言ってくださったのでした。

当時の僕にとっては角野先生は雲の上の存在、それに先生の所には一柳先生という大変優秀なスタッフが常勤されていたので「君をスタッフとして雇う事は出来ないけれど、とりあえず見学に来てみたら!」と軽く言ってくださった角野先生の言葉に驚きながらも、「それでは早速明日から見学お願いします」と答えていました。

その日から約2年間、朝は東大阪の病院のリハビリ室で非常勤として働きながら、昼は柔道整復師の学校に通い、夜は角野先生の治療院で見学、土日はカイロ学院という大変忙しい生活が続いたのでしたが、私を飛躍的に成長させてくれて今日の自分の基礎を築いた大切な2年間でもありました。


その間、臨床見学だけでなく、セミナー用の資料の作成や研究活動のお手伝いなど様々な経験を積ませていただきましたが、先生が僕のために時間をとって教えて下さるようなことは1回もありませんでした。

それでも、ひたすら見学を続けているうちに、先生の考え方や治療の進め方、理論展開などが自然と頭に入ってくるようになり、1年目を過ぎたくらいから、「次に先生が何を質問するか」「何処に手を持って行くか」「どのように説明するか」などが先回りしてわかるようになっていました。

また、先生に初めて質問をした時のことですが、先生は無言で立ち去るとデスクの前で本をペラペラめくりだし、「ここをじっくり読んだら解ると思うよ」と手渡してくださいました。

「人を辞書代わりにするような質問の仕方」をしていたんだと大いに反省し、この日以降は自分で調べられるだけ調べてから自分の考えをまとめ、それを先生に聞いてもらうようになりました。


現在の治療に対する姿勢や臨床の場での閃き、勉強の進め方や考え方、あらゆる基礎から応用の仕方までを角野先生の臨床の現場から学ばせていただきました。

今の自分の治療スタイルや技術、知識、考え方はこの時に角野先生に出会っていなかったら、きっと全く別のものになっていたことでしょう。

角野先生が私の前に現れなかったら、今の自分は無かったと思っています。
先生から与えられた様々な知識や経験を忘れることなく、これからも手技療法の治療家としてさらなる上を目指して励んでいきます。

本当にありがとうございました。

ご冥福をお祈りしております。
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2009/4/27

心理的ストレッサー  ストレス

週末でバタバタしていたため、3日間も更新するのをさぼってしまいました。
今日は、ストレッサー最後の種類を解説します。

心理的ストレッサー
(人間関係、家庭問題、職業、受験、怒り、不安、緊張、不快感、焦りなど)

心理的ストレッサーと他の3種類のストレッサーは実は異なった特徴を持っていると言えます。

他の3種類のストレッサーとは、物理的、化学的、生物的なストレッサーのことであり、これらのストレッサーによってもたらされるストレス反応は身体にとって大変強力に作用し、場合によっては死に至ることもあります。

たとえば、大やけどや大けが、大手術などや、感染症、薬物中毒などがストレッサーとなり、身体がそのストレス反応に耐えることが出来なかった場合には死亡することさえあります。

ところが、この3種類のストレッサーは原因を特定することが出来る場合が多いため、しっかりと対策を立てて向き合えば軽減もしくは解決することが出来る場合も多いのです。

それに対して、心理的ストレッサーによってもたらされるストレス反応は死に至るほど強力に作用する事はほとんど無く、どちらかと言えば反応自体も弱い事が多いのですが、問題なのはストレッサーの本当の原因がはっきりとしない事が多いため、対策も立てにくくなり、結果としてダラダラとストレス反応にさらされ続けることになる場合が多いのです。

いわゆる「ストレス」として皆さんが認識しているのは、この心理的ストレッサーによるものに加えて、他の物理的ストレッサーや化学的ストレッサー、生物的ストレッサーが複合的に作用して身体の反応を強化したものが多いため、問題がややこしくなっているのだと思われます。

「ストレス」で悩んでいる人は、自分に関係するであろう物理的、化学的、生物的なストレッサーをしっかりと観察し、改善や待避する工夫をしてみましょう。この3種類のストレッサーの影響が軽減すれば、多少の心理的なストレッサーなら身体が負けてしまう事はないでしょう。

次回は、心理的なストレッサーをもう少し詳しく説明してみます。
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2009/4/23

生物的ストレッサー  ストレス

今日もストレッサーの解説です。

生物的ストレッサー
(ウィルス、細菌、カビ、原虫など)

これらはすべて感染、および寄生されることにより生じるストレス反応を引き起こします。

対処する方法としては、ストレッサーに接触しないこと、もしくは接触しない環境づくりを考えることです。
また、万一接触してしまい感染もしくは寄生されてしまった場合は速やかに排除することが必要になります。

細菌には抗生物質が有効なのですが、これは本来カビが自分自身の増殖を妨げる周囲の細菌やカビなどを排除するために放出している毒素を利用しています。つまり抗生物質はカビの毒素なのです。

ここで問題なのは、抗生物質で排除することが出来る細菌やカビなどもいつまでもやられっぱなしというわけではなく、稀に耐性という毒素にやられない性質を持ったものが現れてしまうのです。これは耐性菌(緑膿菌、黄色ブドウ球菌、肺炎球菌、腸球菌などが有名です)と言うやつで、相当にやっかいなものなのです。

身体の中には善玉菌や悪玉菌、その他いろいろな細菌が共存しています。共存と言うよりは互いに牽制しながら勢力を広げようとしています。そこへ抗生物質を入れてやると善玉、悪玉関係なく、毒素に負ける細菌は死んでしまいます。

万一その中に耐性菌がいたとしたら、耐性菌以外の細菌が死んでしまった後はじゃまするものがいなくなるので、それはもう恐ろしい勢いで増殖してしまいます。こうなったら、効果のある薬は無いに等しいので免疫に頼るしかありません。免疫力や体力が弱い人にとっては実際には命を落とすことも少なくありませんので抗生物質の使用にはかなり注意が必要なのです。

また、ウィルスには抗生物質は全く効きません。頼れるのは自分自身の免疫力だけと言えます。
風邪などに抗生物質を投与しても全く効果がないだけでなく、かえってこじれてしまいます。
風邪などのウィルスに効く薬は無いと聞いたことがあると思いますが、風邪の時に飲んでいるお薬は、風邪のウィルスに抵抗したり、排除しようとする身体の様々な反応と共に生じる不快感を緩和するものなのです。

つまり、風邪に対抗しようとするときに生じるストレス反応を止めるために、お薬を飲んでいるとも言えます。本当に大切なことは、免疫力を上げるためにしっかりとタンパク質、ビタミン、ミネラルを摂り、十分な休息をとるように心がける事だと言えるでしょう。

…というか、普段から栄養と休息がしっかりと摂れている人はウィルスにやられないんですけどね。
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2009/4/22

化学的ストレッサー  ストレス

今日はストレッサーの種類別解説の続きです。

化学的ストレッサー
(薬物、薬品、防腐剤、着色剤、酸欠、低血糖など)

酸欠は換気の行き届いていない部屋にいる場合に起こるのですが、身体の中で血液の循環の悪い部位でも局所的な酸欠になります。体の歪みや締め付けの強い着衣に注意しましょう。

低血糖については、スポーツとダイエットの栄養学で取り上げましたので、読み返しておいてください。

問題なのは、その他の化学物質がストレッサーになる場合です。

病気やケガをした時に病院や薬局で処方されるお薬は、人間の体に入り込む化学物質の中で最も強力なものです。そのため、医師や薬剤師にしか処方をすることが許されていません。

防腐剤、着色剤、発色剤などの食品添加物も化学物質ですし、たばこにもかなり多くの化学物質が含まれています。

また、抗菌剤や消毒液なども身体に入れば有害な化学物質になってしまいますので、現代の抗菌消毒ブームには注意が必要です。

長い期間にわたり化学物質を摂取し続けることで、ストレスの総量(トータル・ボディ・ロード)が各自の適応能力を超えると、「 化学物質過敏症」を発症します。

トータル・ボディ・ロードを少しでも超えてしまうと、極めて微量な化学物質に接触しただけでも反応して、頭痛・疲れやすいなど「化学物質過敏症」に特有な様々な症状が頻繁に出るようになってしまいます。

「化学物質過敏症」は「シックハウス症候群」とも言われる現代病であり、それぞれの人のおかれた環境で様々な要因があり、リスクも大きく異なりますので、滞在時間の長い自宅や職場の生活環境を見直して、化学物質を取り除いて曝露しないようにすることが、健康を維持する上で大切になります。

化学物質が体内に入り込む事によるストレス反応への対処法は、出来るだけ体内に入れないようにすることに尽きるのですが、実際には減らすことは出来ても完全に遮断することは困難なようです。

体内に入ってしまった化学物質は、ストレス反応を出来るだけ起こさないようにするために、出来るだけ早く解毒および排泄する必要があります。。そのためにも、しっかりとタンパク質やビタミン、ミネラルを摂取するように心がけましょう。

明日も続きますよ
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2009/4/21

物理的ストレッサー  ストレス

ストレスに対処するためには、まず自分がストレス反応を起こしているストレッサーを知ることから始まります。対象となるストレッサーがわかれば対策も立てやすくなりますよね。

それでは、今日から種類別に解説してこうと思います。

物理的ストレッサー
(寒冷、温熱、気圧、衝撃、運動、騒音、放射線、外傷、手術、火傷など)

寒冷、温熱、気圧などの気候や環境に関するストレッサーは、衣服や空調など何らかの工夫をすることで穏やかなストレッサーに変えることが出来ます。

衝撃、騒音、放射能などは、ストレッサーであることがわかれば、ストレッサーからの待避行動を取ることが出来ます。

ただし、寒冷、温熱、気圧、衝撃、騒音、放射能などのストレッサーは、気候や環境などの外的な問題であることが多いために、どちらかというと本人が知らない間にストレッサーとなっているものです。

身体にストレス反応による異常が現れても、原因が良く解らない場合は、これらのストレスを疑ってみてください。これらは、意識すればかなり回避することが出来るものばかりです。

運動、外傷、火傷、手術なども、体にとっては相当な負担になるものです。これらは、なってしまったら回復するまではどうしようもないものなので、他のストレスを二次的に受けないように速やかに治すように努力しましょう。


他のストレスを二次的に受けるって??
たとえば…

運動により体が消耗しているときに、十分な栄養や休息を取らないで無理を続けていると、免疫力などが低下して今度は生物的なストレッサー(ウィルスや細菌に感染しやすくなる)を受けやすくなってしまいます。

外傷や火傷などの損傷から回復するのは基本的には自分自身の細胞の増殖力に左右されます。また、化膿したりするのは自分自身の免疫力が弱いからなのですが、これらを薬に頼ってしまい、傷口を過剰に消毒しすぎたり、薬を飲み過ぎたりすると、化学的なストレッサーを身体が受けてしまうことになります。

手術とは、身体に大けがを負わせる事と引き替えに、問題となっている部位を切除したり、縫い合わせたりすることで本来の状態に少しでも近づけようとするものなのです。患者様の多くは、手術を受けるとすぐに良くなると思っている人が多いのですが、この手術の際に受けた傷が新たなストレッサーになることも少なくありません。また、予後の状態に不安が出てくると、心理的なストレッサーにもなってきます。

物理的ストレッサーからくるストレス反応は実は身体への負担が非常に大きく、場合によっては死に至るものさえあります。

しかし、物理的ストレッサーへの対処は何がストレッサーになっているかが解れば、比較的対処がしやすいものばかりとも言えます。

やっぱり、「知らない者は損をする」のですよね
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2009/4/20

恐るべし認定試験  ひとりごと

不合格

コアコンディショニング協会のアドバンストレーナーの認定試験の結果は、何と「不合格」でした。

大学受験で2浪してからこの業界に入り、鍼灸師や柔整師、カイロプラクター、ケアマネージャー、など様々な資格試験は全て1発合格だったので、25年ぶりに凹みました。

土日は脱力状態でブログの更新も出来ませんでした。
…打たれ弱くなっているかも

今日は「まあ、とりあえずは日常の生活や治療には影響が無いから次にがんばればいいや!」と開き直っているのですが…

と言うことで、リベンジに向けて、不合格の理由を自分なりに考えてみようと思います。


通知の内容は以下の通りでした。

学科試験58点(60点満点中)合格
実技試験65点(100点満点中)不合格
*合格ライン70点以上

指導C 評価B 説明B 資質B

[試験官からのコメント]
はきはきとしたコマンドで指示するようにしてください。ネガティブコマンドが少し多いように感じました。「だめですね」などの言葉は使わないようにしてください。JCCA・ADVメソッドの全体の流れや用語を再度おさらいしてください。

この内容から考えられる最大の敗因は、普段の治療の時の患者様との関わり方がしっかりと出てしまったために、「トレーナーとしての試験」には不適合になってしまったのだと言うことに尽きるでしょう。

確かに、「はきはきとしたコマンドで指示を出す」と言うよりも、「初めての患者様に対応する時の様に、穏やかに丁寧に指示を出していた」ような気がします。

また普段の治療の中では、「限られた時間の中でいかにたくさんの問題点を見つけ、それを患者様に示してから修正をしていくか」というような事が流れの中心になるので、「だめですね」の台詞は無意識に口から出ていたかもしれません。

そして、「手順のスムーズさよりもアドリブ能力を見る」とのことを事前に聞いていたのが災いして、「医療人としての見解やコメント」を入れながらの説明やセッションになっていましたので、コアコンディショニング特有の用語はあまり使わずに、医学用語が多くなっていたのかもしれません。

このように敗因を分析してみると、「なるほど、これでは不合格でもしかたないなぁ」と思えてきました。

次回の試験では、「医療人」としてのカラーを全く出さないように心がけ、「トレーナー」になりきって望みたいと思います。

…と、口で言うのは簡単ですけれど、実際にはしっかりと身に染みついたものを出さないようにするのはかなり大変ですよね

ちなみに、トメ女史は「トレーナー出身の治療家」なのでばっちり合格しました。オメデトウ
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2009/4/17

ストレスのお話  ストレス

ストレス

皆さんは「ストレス」と言う言葉をどのようなときに使いますか?

職場のストレス、家庭環境のストレス、受験のストレス、不安、緊張、不快感、焦りなど様々なものを思い浮かべる事でしょう。
これらは全て「心理的なストレッサー」に対しての「ストレス反応」のことを言っているのです。

実は、日本では多くの人が「心理的ストレス」のことをいわゆる「ストレス」として認識しているようですが、「心理的ストレス」は「ストレス」の中の一つにすぎないのです。

ということで、今日は「ストレス」について勉強してみましょう。

「ストレス」とはカナダの生理学者ハンス・セリエが提唱した「ストレス学説」を起源とするものです。

「ストレス反応」とはホメオスタシス(恒常性)によって一定に保たれている生体のバランスが崩れた状態(ストレス状態)から回復しようとする時に体に起こる反応のことをいいます。

「ストレス」には生体にとって有益である「快ストレス」と不利益である「不快ストレス」の二種類があります。これらのストレスが適度な量だけ存在しなければ本来持っている適応性が失われてしまうために、生物には適切なストレスが必要であるといえます。しかし過剰なストレスによってバランスが失われてしまう場合があるため、様々なストレス反応が生じるのです。

ストレスの原因となる外的な刺激のことを「ストレッサー」とよび、その外的刺激の種類から

1.物理的ストレッサー
(寒冷、温熱、気圧、衝撃、運動、騒音、放射線、外傷、手術、火傷など)

2.化学的ストレッサー
(薬物、薬品、防腐剤、着色剤、酸欠、低血糖など)

3.生物的ストレッサー
(ウィルス、細菌、カビ、原虫など)

4.心理的ストレッサー
(人間関係、家庭問題、職業、受験、怒り、不安、緊張、不快感、焦りなど)

に分類されます。

また、これらのストレッサーによって起こるストレス反応は二つのパターンに分類することができます。

1.能動的ストレス反応(威嚇攻撃、威嚇逃走)
強いストレッサーが急に加わった場合に、交感神経が優位になり、心拍数の増加、血圧の上昇、骨格筋の血流上昇、瞳孔の散大、呼吸の促進、血糖の上昇、消化活動の低下などが起こり、攻撃行動、過興奮性、情緒不安定、躁うつ状態などが表面化します。

2.受動的ストレス反応(すくみ行動、フリージング)
ストレスが長く持続したり強すぎた場合、また対処に失敗したり処理不可能と判断した場合に、脳下垂体の機能低下や血糖値の上昇、炎症反応の低下、免疫反応の低下などが起こり、探索行動、母性行動、摂食行動、性行動、などの行動意欲が抑制されます。


それでは、ストレスに対処するためにはどのようにすればよいのでしょうか?


それは次回のブログで説明します。
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2009/4/15

食道裂孔ヘルニアA  臨床レポート

2回目(1週間後)

骨盤の左へのシフトが強いようなので、骨盤を左に引っぱって固まっている
殿筋と大腿筋膜張筋(太ももの外側の筋肉)を手技により緩めていきます。
筋膜の滑走も上手くいっていないようなので、しっかりと動きをつけます。
筋膜の動きが硬い状態の時はこれが結構痛いのですが、動きがついてくる様になるとだんだん痛くなくなり、最後には無痛になります。

猫背の原因である僧帽筋や棘上筋、肩甲挙筋にも同様の手技を行います。(腹直筋の過緊張も原因です)
「顔を上に向ける動きがやり易くなってきました」とおっしゃっています。

胃の膨満感と膨隆感は「前回の治療の日は楽になったのだけれど、だんだん戻ってきています」と言うことです。まあ、横隔膜が上手く働かない状態で1年以上も過ごしてきたのだから仕方ないのですけど…横隔膜に対しても前回と同じ手技を行います。


3回目(6日後)

「前までは、胃の上にいつも手を当てていたのに、最近は胃の上に手が行くことが少なくなってきました」とおっしゃっています。

今日も2回目と同じように施術します。


4回目(9日後)

「最近、胃の部分の膨隆感は気になりますか?」と聞いてみると、「出っ張って感じるときと、何も感じないときがあります」とのことです。
「姿勢との関連はあるようですか?」とさらに質問してみると、「長く座っていると背中が丸くなってきて、その後に胃が気になることが多いような気がします」とのことです。

横隔膜が上手く上に上がっているときは、胃は圧迫を受けていないようですが、下がってくると胃に干渉してくるようです。

横隔膜の上への動きをつけていくことで、胃に対しての干渉を減らしていこうと考えて「呼吸ドリル」を指導しました。

「呼吸ドリル」はインナーユニットを意識するために行うエクササイズなのですが、このインナーユニット(脊柱を内側から支える仕組み)が上手く働いていないことによりアウターユニット(身体を動かすための筋肉)を使って支えることになり、結果として本来の動きが上手くできないようになります。

今回のケースに当てはめてみると、下腹部のインナーユニットが働かない代償作用として腹直筋や腹斜筋などの大きな筋肉が身体を支えるために働いてしまいます。そこで呼吸をすると胸郭は筋肉によって固められているために、横隔膜が下に下がることでしか吸気が出来なくなり、腹圧が上がってしまいます。結果として食道と胃の結合部が横隔膜の裂孔にめり込んでしまうのです。

こんな感じで施術が進んでいますが、今度は1ヶ月後くらいに経過を報告します。

それでは、また明日
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2009/4/14

食道裂孔ヘルニア@  臨床レポート

さていよいよ患者さんを診ていきます。

患者さんは72歳の女性です。

主訴は胃の部分の膨満感、膨隆感
その他の症状は、右肩の痛み、左股関節の痛み、左足の親指の付け根の痛みです。

食道裂孔ヘルニアと1年以上前に診断を受けてから薬を飲み続けています。
飲んでいる薬は何と11種類、ちょっと多すぎるような気がします。

既往歴は27歳の時に虫垂炎で左下腹部の開腹手術で虫垂を摘出、60歳の時に胆のうガンを内視鏡手術にて胆のうを全摘出しています。

食道裂孔ヘルニアの原因になりうる肥満を解消するために、体重が61キロあったのを53キロまでダイエットしたそうです。


患者さんに膨隆感を感じる腹部を示してもらい、触診してみると握りこぶし位の硬いものがあります。横隔膜もキンキンに緊張しているようで、胸郭の可動性もほとんどありません。深呼吸をしてもらっても、つっかえた感じがして上手く吸えないようです。胸郭は全く膨らむことなくこれでは横隔膜が下がりっぱなしです。

身体の各部の可動性を診ていくと、足の趾の可動制限、足首の背屈制限、股関節の伸展制限、骨盤の左シフトなど運動が十分でない人の典型的なパターンです。上半身は胸郭の回旋、伸展制限、上肢(肩関節)の可動制限などがあり、つまり不良姿勢のままで身体のあちこちが硬くなっている状態です。

身体全体の姿勢を診ると、おしりは後ろにつきだして、腰は反りすぎ、背中は猫背になって、首から背中にかけての肉が大きく盛り上がっているようです。

1日目は問診とこのような検査を中心に進めます。

先に下肢と骨盤の歪みをある程度調整してから横隔膜のフリップテクニックを行い、横隔膜の緊張を緩めます。

次に胸椎の下部と腰椎の上部の可動性を上げるようなモビライゼーションをします。これは、横隔膜が後ろ側で脊柱にひっついているところなので、これでますます横隔膜が緩む(自由に動くことが出来る)はずです。

僧帽筋(首の後ろから肩にかけての筋肉)が後ろから被さっているようなので、後ろに戻すように筋肉のリリースとマッサージを行います。

ここで、胸郭の動きをサポートしながら患者さんに深呼吸をしてもらいます。何回か呼吸をした後に、始めに膨隆感を感じた腹部を確認してもらうと、こぶし大の硬い部分がかなり柔らかくなっています。呼吸時のつっかえた感じもありません。

今日の施術はここまでにして、次回までに状態の変化を患者さんに観察してもらいます。

また、左足の指の痛みは足底の筋肉の筋力低下によりアーチが下がってきた事が原因だと判断したので、足底筋の筋トレを指導して終了にします。

長くなりそうなので、2〜4日目は次回にします。
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2009/4/13

食道裂孔ヘルニア  臨床レポート

食道裂孔ヘルニアとは

食道と胃の接続部には横隔膜(おうかくまく)という膜状の筋肉があり、食道はこの横隔膜を貫通して胃につながっています。貫通している部分を食道裂孔(しょくどうれっこう)といい、裂孔が大きくなって筋肉が緩み、胃の上部が横隔膜から飛び出して胸の方に入り込んだ状態が食道ヘルニアです。

生まれつき緩んでいることもありますが、多くは加齢や腹圧の上昇による筋肉の緩みが原因です。また、背中の曲った(亀背)人が食道裂孔ヘルニアを合併していることはまれではありません。そのほか、喘息(ぜんそく)や慢性気管支炎などの慢性の咳が良く出るような疾患のある人は、腹圧が上昇するので食道裂孔ヘルニアになりやすくなります。また、肥満の人も腹圧上昇による食道裂孔ヘルニアが現れやすいといわれています。

胃の飛び出し方によって滑脱型(かつだつがた)、傍食道型、混合型〈滑脱型+傍食道型〉に分けられ、最も多いのは滑脱型です。胃の上部がそのまま胸部に入り込み、胃食道の逆流防止機能が働かないので逆流性食道炎を起こしやすくなります。

傍食道型は、胃食道接合部以外の胃の一部が裂孔から胸腔に入り込んだもので、脱出した部分が締め付けられ、出血を起こします。初期症状はありませんが、進行したものは胸焼けや胸痛が起こります。

食道裂孔ヘルニアの一般的な治療法

まずは胃の脱出、食道粘膜の状態を調べるために消化管造影検査、内視鏡検査が行われます。

食道裂孔ヘルニアが軽ければ、とくに治療の必要はありませんが、逆流性食道炎があればH2受容体拮抗(きっこう)薬やプロトンポンプ阻害薬を服用することで、胃酸を抑えたり、腹圧が上昇しないように気をつけます。

ただし、食道粘膜内にビランや出血がみられる場合や傍食道型食道裂孔ヘルニアは原則的に手術を行う必要があります。

こんな病気の患者さんがいらっしゃいました。

手技療法でどのように対応していくのでしょうか?
初診から4回目までの施術内容と経過を次回のブログでレポートします。
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2009/4/11

コアコンディショニングの特徴  コア・コンディショニング

コアコンディショニングの特徴

今日はコアコンディショニングの特徴を5つのテーマに分けて説明してみます。

1.セルフコンディショニング
日常生活やスポーツにおける動作の中で、左右対称の動きは非常に少なく、そのために左右をバランス良く使うことはかなり難しいものです。非対称な動きの反復は、姿勢や動作に悪影響を及ぼすことから、身体活動そのものが姿勢を崩す原因になりうるのです。
このようにして生じる姿勢や動作の崩れをエクササイズなどにより自ら調整(修正)していくことを「セルフコンディショニング」と言います。コアコンディショニングのパッケージは、誰もが一人で簡単にセルフコンディショニングできるようにつくられています。

2.再現性
再現性とは、「いつ、どこで、誰が行ってもある一定以上の効果が得られること」を言います。
コアコンディショニングでは、「コアリラクゼーション」、「コアスタビライゼーション」「コアコーディネーション」分類されてパッケージ化された各種のエクササイズを順番に進めていく方法をとっているため、高い再現性を示すことになっています。また、ストレッチポールを用いてエクササイズを進めていくことも、再現性をさらに高めている要因と言えます。

3.体感
コアコンディショニングでは、エクササイズの前後にセルフモニタリングを行います。これは、自分で身体を動かしながら、動きの制限や張りなどの身体のアンバランスな状態を感じる事であり、この「自分の身体を感じる」事が間違えて習慣化した身体の使い方を改善するための重要な手がかりとなります。
コアコンディショニングの基本エクササイズである「ベーシックセブン」を終了したほとんどの人が仰向けになるセルフモニタリングにより「エクササイズの前よりも床に背中がべったりとついています」というような体感を得ることが出来ます。

4.安全性
コアコンディショニングはリラクゼーションが基本となるエクササイズであるため、痛みや違和感、不安感や力みの無い範囲での小さな動きを中心としたエクササイズで構成されています。外力を加えることなく自分自身の重さを利用して、自分で動かしていくエクササイズであるために、誰もが安全にエクササイズを進めることが出来ます。
また、JCCA(日本コアコンディショニング協会)では医療従事者により構成されるコアセラピー研究会を立ち上げ、様々な疾患や対象者に対する効果や副作用についての研究や症例の報告などの常に新しい情報を収集しています。

5.応用性
昨日のブログにも書きましたが、コアコンディショニングは私たちが行っている手技療法との相性が非常に良いものであることがわかっています。
手技療法による治療を受けている患者様も日常生活やスポーツをすべて止めることは出来ません。これらの動作を続けることにより生じる新たな歪みを患者様自身で整えることが出来るため、次回の治療までの間に患者様の身体が元の歪んだ状態に戻ろうとするのを食い止め、治療の効果を持続させることが出来ます。
また、症状が完全に消失してからメンテナンス(体調管理)のために定期通院されている患者様にとっても、コアコンディショニングを自宅で続けることにより積極的に身体を良い状態に保つことが出来ます。

このように、コアコンディショニングは手技療法を受けたときと同様に効果をしっかりと体感することができます。再現性が高く、安全であり、しっかりと効果を体感することが出来るから、飽きることなく進めていくことが出来るエクササイズなのです。

少し興味が出てきましたか?
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2009/4/10

エクササイズの分類  コア・コンディショニング

コアコンディショニングの目指すもの

コアコンディショニングでは、身体の様々な問題に対して、問題となる部位に対して直接働きかけるのではなく、姿勢や関節の動きを整え、上手な身体の使い方を身につけることで私たち人間が本来持っている自然治癒力を引き出し、不定愁訴などの心身に関する問題の解決を図ります。

この考え方は、私が手技療法の治療家として今まで目指してきたものとほとんど同じ考えなので、コアコンディショニングの参考文献でこの文章を目にしたときは本当にびっくりしました。

コアコンディショニングについて調べていくにつれて、これが私が実践している手技療法と同じ方向を向いている事がはっきりしたため、コアコンディショニングを治療に取り入れようと思ったのです。

それでは、今日も内容の紹介です。

コアコンディショニングは次のように3つの段階に分けて進められています。

1.コアリラクゼーション
ストレッチポールの上に仰向けに乗ってリラクゼーションすることにより体幹の筋肉の緊張を低下させながら仰向けでの姿勢を改善していきます。
(リアライメント)
パッケージ化された基本エクササイズである「ベーシックセブン」や肩関節や股関節、胸椎や腰椎などの身体の部位に的を絞ってエクササイズを行う「アドバンストスリー」などがあります。
ストレッチポールの上に乗るだけでなく、椅子に座った状態で出来る方法もあります。

2.コアスタビライゼーション
コアリラクゼーションによってリアライメントが得られた身体に対して、筋肉の機能を改善することで抗重力位(立位)での姿勢を安定させ、運動を開始できる状態にします。
(リセット)
ストレッチポールの上に乗りながら、インナーユニットの働きを意識しながら、呼吸や小さな体幹の回旋運動、四肢の運動などを行います。

3.コアコーディネーション
コアスタビライゼーションによってリセットされた身体に対して、隣接する関節や部位と強調した運動パターンを再教育します。
(ボディコントロール)
人間の発育、発達の過程に沿って仰向けからうつ伏せ、四つ這い、膝立ち、立位と順を追って進められます。
ストレッチポールだけでなく、バランスボールやバランスディスクなどを用いることで難易度に変化をつけることが出来ます。


フィットネスクラブなどで行われているコアコンディショニングの指導では、身体のリラックス効果をねらって、「コアリラクゼーション」の中の基本エクササイズである「ベーシックセブン」だけを行っているようですが、身体に問題のある(痛みや張りなどがある)人の場合は、「コアスタビライゼーション」までしっかりとやらないとかえって不安定な状態(症状が悪化する)になるようです。

私たちが行っている「手技療法」ではより強固なアライメント不良の改善が課題となります。
「手技療法」では「コアリラクゼーション」だけでは矯正しきれない構造的な問題(筋肉の短縮や拘縮、筋膜の緊張や癒着、瘢痕組織による可動制限)などを修正することで、姿勢の改善や運動パターンの修正を行っていくのです。

「手技療法」により症状があまり感じられなくなるまで改善した状態は、「コアリラクゼーション」により「リアライメント」された状態とほぼ同じになるので、やはり「コアスタビライゼーション」などによる安定化が不可欠になると思われるのです

つまり、症状が治まってからの身体の安定化を確保するために、今後は「コアスタビライゼーション」の考え方を取り入れていこうと決意したのでした。
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2009/4/9

コアコンディショニングの始まり  コア・コンディショニング

コアコンディショニングとは

コアコンディショニングは2002年の春、岩崎由純氏と日暮清氏の二人のアスレティックトレーナーにより、一人でも簡単に実施でき、継続できるエクササイズパッケージとして開発されたものです。

それは、7つの種目から構成され、7分の間に上肢、下肢、脊柱の筋肉をリラックスさせるものであることから「ベーシックセブン」と命名されました。

「ベーシックセブン」は、
・誰もがその場で効果を実感できる(再現性)
・一人でどこでも行うことができる(簡便性)
・スポーツ選手においてほとんど問題が生じない(安全性)
を特徴とするエクササイズへと発展しました。

2002年の夏頃より複数のスポーツ指導者向けの専門誌に特集記事として取り上げられたこともあり、国内のトップアスリートたちが練習前後のエクササイズとして使い始めるなど、競技スポーツの世界では瞬く間に大流行しました。

コアコンディショニングの基本エクササイズは専用に開発された「ストレッチポール」という直径15センチ、長さ98センチの円柱状のポールの上に仰向けに乗ることで実施されます。

ポールの上に乗ることにより、脊柱がストレッチポールに支持されることになり、胸郭や、上肢、下肢などが重力から解放され、リラックスしやすい状態になるのです。

基本エクササイズが終了してストレッチポールから床の上に降りて仰向けになると…
「背中がすっきりしました」
「身体全体がべったり床につきました」
「床に埋まったようです」
「腰や肩がゆるんだようです」
などの身体の変化をはっきりと感じることが出来るようです。

現在の「ベーシックセブン」は、予備運動3種目と主運動7種目から構成されています。
また、ストレッチポールも使用者からの要望に応じて様々なタイプが開発されています。

こんな感じで少しずつ紹介していきますので、しばらくの間お付き合いしてくださいね
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2009/4/8

イタリアの音楽家  臨床レポート

今日、イタリア人の患者さんがいらっしゃいました。

彼を紹介してくれたのは彼の奥さんで昔の患者さん、スイスに音楽留学しているときに知り合ってそのまま結婚されたそうです。
当院には10年ぶりに来てくださいました。

ところで、私はイタリア人と話すのも治療するのも勿論初めてです。

奥様の通訳でなんとか症状を把握し治療開始します。
症状は腰痛と右肩の痛み、側湾症もあるようです。

身体を調べていくと、さすがにヨーロッパ人は床に座らないので足の歪みはごく僅かです。勿論、下腿の治療も痛み無く進みます。
でもやっぱり、骨盤は左にシフト、右寛骨が前方変位、左の股関節の外旋制限があります。

このパターンはまさに、カナダの理学療法士の先生のセミナーで習った「ユニバーサルパターン」です。やっぱり、基本的な身体の捻れのパターンは世界共通なんだなぁ…と改めて感心しました。

いつも通りに可動域の検査と関節の動きを確認、左右のバランスをとりながら足から上に向かってドンドン調整していきます。

胸郭を調べてみるとかなり可動に左右差があります。このことを奥様に通訳して伝えてもらうと、「たまに呼吸に段差ができ、スムーズに吸えないことがある」とのこと。横隔膜の可動性を診るとこれまた左右で動きが違います。

「食事が胸につかえたりしませんか?」
と聞いてみると、たまに自覚症状があるとのこと。

横隔膜の可動性を上げるため、下部胸椎の矯正と横隔膜のフリップテクニックで横隔膜の緊張をとります。

ここで座位になってもらい、身体の動きの改善を確認してから、彼の本職であるフルートを吹いている姿勢、動作を再現してもらいます。

動作の解析から肩甲骨の動きに制限があることが解り、これを修正して今日の治療はひとまず終わりにします。

治療後、彼は身体が良くなっていることを自覚されたようで、この状態を持続するためのエクササイズについて質問されました。今までやっていたストレッチに間違いがあることを指摘し、正しい方法を指導しておきました。

言葉が上手く通じないにもかかわらず、何とか治療が上手く進み効果を身体で確認してもらうことが出来ました。また、日本にいる間に何回か治療を受けることを希望されて次回の予約を取って喜んで帰られました。

本当に良かった!10年ぶりに患者様に会えたのも嬉しかったし、言葉も通じない異国の人にも治療を通じて喜んでもらえたこと。本当にこの仕事を選んで良かったと思える1日でした。

皆さんに感謝です
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