短時間で分析可能に
東京医科歯科大学情報医科学センターの水島洋准教授は、米社と共同開発した卓上型遺伝子検査診断システム=写真=の商品化に近く乗り出す。目的とするDNA(デオキシリボ核酸)と外部から刺激を受けると変換する仕組みを持つ受容体が反応することで発生する電圧を感知し、高精度の遺伝子検査を行えるのが特徴。検査システム自体を簡略化したほか、検査時間も大幅に短縮できる。
水島准教授が開発した手法は、米ラクシャリーイメージグループと共同で開発した。検出対象のDNAサンプルと特殊な試薬を反応させ発電することで、目的とするDNAが存在するかどうかを検出する方法。
従来、一般的だったDNA検査のPCR(ポリアミラーゼ連鎖反応)法は、特定のDNAを高感度で検出するため、極微量のDNAを増幅するなど一定の作業が必要で、さらに検査結果を得るまでに数時間かかっていた。
水島准教授が開発した手法では反応により発電した微小な電力を取り込むのに1分程度の時間がかかるものの、PCR法による検出に比べ大幅に時間短縮が図れる。検出結果は通常のテスターなど電圧計で測定できる。USBケーブルによってパソコンに接続できる検査装置の開発にめどをつけた。
遺伝子検査や解析は、DNA情報をベースに患者個人の体質に応じた、テーラーメード医療の実現で患者の治療負担を軽減する治療法に使われる。
今回開発したDNA検査装置は、手軽に短時間で検査・分析できるため、日本臨床抗老化医学会(JSCAM)の松山淳理事長は、「店頭で粘膜を採取しDNA情報が分かれば、同情報を使ってアンチエイジングなど個人にあった化粧品の開発」など新たなに用途開発につながるほか、「国際空港で感染症の侵入を防ぐための検査や輸入食品の残留農薬の検査などにも利用できる」(水島准教授)と期待している。
また、水島准教授は、「DNAのほかにも特異なタンパク質を検出することやがんマーカーの検出にも使用することが可能で、患者の粘膜を採取すれば外来で短時間の検査が実現する」と簡単ながん診断も可能になるという。
出典:フジサンケイ ビジネスアイ

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