そうですね。漫画原作のドラマというのは、これまでにもいろいろあったと思うんですけど、ここまで原作に忠実に再現したドラマはなかったんじゃないですか。ストーリーも含めて、忠実さでいったら1番じゃないかと思います。原作ファンの方が見ても、ある程度納得できるものにはなっていると思いますね。そこに嘘があったら、引いちゃう人もいると思うし…。
その辺は、唯一人間らしいのが千秋だと思うので(笑)。個性的なキャラクターばかりなので、周りは相当ワイワイなっていると思うんですけど、それに呑まれないように冷静にやっていかないとバタバタになり過ぎちゃうと思うので、気をつけようと。
でも、僕が出る作品は毎回課題ばっかりなので(笑)。そういう意味では、慣れている部分もありますし…。ただ、いろんなものに触れる、という意味では、今回が一番大変だな、と思いますね。クライマー(の役)なら、クライミングの練習をすればいいけど、今回はピアノだけではなく、指揮やヴァイオリンもありますからね。「1個だったらよかったのに…」って思います(笑)。
そういう部分のリアリティーを追求しないと、辛いですからね。
全部ですね、それは。どれも触れたことがなかったので、全部違った難しさがあって。ピアノが出来たからヴァイオリンが出来るようになる、っていうわけじゃないですからね。
毎回、何か課題が入ってくるので大変ですね。
違いますね。クラシックの良さはわかるようになってきたんですけど、ひとつの決まったテンポで進んでいく曲ばかりじゃないですしね。曲を把握していないとどうにもならないですね。
クラシックをちゃんと聴くのも初めてだったんですけど…。最初のイメージとしては「堅苦しくて、聴いてても眠くなっちゃうんじゃないかな」っていうような感じだったんですけど、実際にいろいろな曲を聴いてみると、迫力があるし、凄くいい気持ちになれるし…。それから、クラシックっていうジャンルだけで判断するのではなく、好きなもの・嫌いなもの、っていうのが見えるようになってきたのも、大きな進歩だと思います。好きなものに関しては、音の広がり方が見えるようになってきたというか…。
ベートーヴェンのピアノソナタ『悲愴』が好きですね。
僕は全然弾いていないですけどね。
そうですね。ここまでメリハリが効いた作品、というのはやったことがないので。普段はクールにしているのに、何かポイントがあったときはバサっとキレちゃうというのは初めてなので、行くときは行っちゃおうと。ただし、抑えるときはホントに抑えてしっかり見せるようにしないと。
楽しいですよ。やった分だけリアルな反応が返ってくるというか…。やっぱり、混ざりたくなっちゃうんですよ(笑)。どんどんテンションを上げていきたくなっちゃうんですけど、そこは抑えてクールに、っていう風に言い聞かせながらやってます。
2話で、指揮科への転科届けを出すシーンがあるんですけど、「ワタシはアナタがキライです! 超ムカツク!」っていうミルヒーに、千秋が「そんな理由があるか!」っていうと、いきなり「ダマラッシャーイ!!」って(笑)。「なんだよ、そのテンション!」って思いながら、「抑えて、抑えて…」って(笑)。凄く楽しいですけど、自分を抑えるのに必死ですね。
千秋自身は、自分の力も知っていて、完璧主義者でもあるので、楽譜に忠実にやるのが当たり前なんですね。師匠としてはヴィエラ先生がいたけど、結局海外には行けずに独学でやってきたこともあって、のだめたちに接するときもそういう進め方しか出来なかったんですよね。そういう意味では、ハートで弾く人にはなれていなかったのが千秋だと思うし、きっと自分に足りないのは何か、というのもわかっているとは思うんですけど、自分とは違う人たちに惹かれていく、っていうのは面白いですね。強がっているけど、弱い部分も持っている人なんだと思います。だから、完璧主義的なところは貫き通しながらも、のだめとかミルヒーと出会ったときは、自分自身が思ってもみなかったような反応を見せてしまう…そのギャップを大事にしていきたいですね。

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